高知市下知地区でJICA研修生との意見交換会が開催されました。
2016年9月22日(秋分の日)は、JICA(日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っている。)の研修生14人が朝9時半に下知コミュニティ・センターへ来られました。
高知大学大槻准教授が窓口になり、バングラデッシュ、チリ、フィディー、グレナダ、ガイアナ、ジャマイカ、ナウル、パラオ、フィリッピン、ソロモンからの来訪者の皆様で、お国では防災担当の責任者です。
下知減災連絡会スタッフ各位は、午前8時半集合で準備作業をしました。屋上へ国際信号旗の掲揚を横田政道さんがされました。訓練旗のU・Y旗とV旗(避難者がいます)。W旗(医療支援が必要)を掲揚しました。
9時半から研修が始まりました。まずは大槻知史准教授が「学校教育・市民教育・コミュニティ防災」について講演をされました。すべて英語による説明なので理解度は数%でした。
続いて高知市地域防災推進課山中晶一係長が「高知市におけるコミュニティ防災」という表題で講演されました。「高知市における自主防災組織の特徴」「高知市における防災計画」「下知地区と高知市地域防災推進課との連携」について話をされました。
終了後全員で屋上へ集合しました。そこでは下知コミュニティ・センターの施設であるLPガス災害時・ユニットを使用して。非常食(アルファ米)に熱湯を注ぐために、お湯を沸かしています。システムの説明をLPガス協会(ツバメガス)の小吉さんがされました。LPガス発電機で投光器の電氣の確保の実例も示されました。
沸騰したお湯をアルファ米(今回はチキン・ピラフ)に注ぎ、15分封をします。坂本茂雄さんが実演しました。屋上に掲揚してある国際信号旗の説明をして、3階へ移動しました。
そこで皆で食事をしました。アルファ米としては、チキン・ピラフ、エビピラフ、白米と缶詰パンがありました。飲料水は5年保存のものを使用しました。
昼食後は3つの班にJICA研修生の皆さんも別れ下知まち歩きをしました。目的は下知地区がいかに低地なのか。また川や海に近いか。津波避難ビルはどうなのかを歩いて体験していただくことです。下知地域の現状がJICA研修生の皆さんも体感できたと思います。
C班は、二葉町―若松町の下知地区南岸コースです。下知コミュニティ・センターから、二葉町の古い低層木造住宅密集地区へ向かいます。途中二葉町自主防災会の消火栓ホース・セットと消火器セットの格納箱を見ていただきました。
高知で自動車交通量が1番多い国道56号線沿いを歩きました。途中民間賃貸マンションで市指定の津波避難ビルの岡村ビルを確認しました。続いて二葉町歩道橋に上りました。
海抜5・3M程度の高さがあるので、地域の中での津波避難タワーの機能は果たすと思います。
続いて地区指定の「津波一時退避場所」(二葉町では11カ所あります。5階建てですが、昭和56年以前に建築された新耐震以前のビル。高知市の津波避難ビルにはなっていません。)屋上まで階段を昇降しました。
続いて鏡川大橋の落橋防止・チェーンを見学し、堀川浮桟橋を歩きましたb。いかに市街と海が近いか、隣接している現実を体験いただきました。堀川水門を横目に見て、二葉町の耐震護岸工事の現場を歩いて、若松町へ向かいました。
若松町では町内会の橋本副会長が、低地の住宅街である若松町の現状説明をしました。
50分ほどまち歩きをして下知コミュニティ・センターへ戻りました。
午後の講演は、下知地区減災連絡会西村副会長が、「下知地区のこれまでの防災への独自の取り組みと、今後のビジョン(地区防災計画=事前復興まちづくり計画」について説明をしました。
続いて下知地区減災連絡会坂本事務局長から「マンション自主防災会の取り組みと昭和小との防災教育での連携」が述べられました。
講演終了後、JICA研修生たちは下知まち歩きの班ごとに集まり、下知地区スタッフと意見交換会をしました。
JICA研修生の皆さんから多様な意見を聞くことができました。
「歩くと本当に低地でたくさんの人が住んでいる市街地であることがわかりました。家も古い低層の家が多く心配です。」
「歩道橋は髙さ5・3Mあり、津波による浸水を避けられる。であるならば、下知地区にいくつか横断歩道橋型避難タワーをこしらえるべきだ。」と言われました。
高木妙さんが、静岡県吉田町の大規模な横断歩道橋型津波避難施設の紹介がありました。
「下知地区には、高知市指定の津波避難ビルが少ない。地区住民が賃貸マンションの所有者と独自の協定を結んで、「地区津波一時退避場所」が二葉町は11カ所、7か所あります。)。地区津波一時避難場所を市指定の津波避難施設にしないと多くの人が津波から逃げ切れないだろう。」
「下知コミュニティの皆様の真摯さや真剣な取り組みに感激しました。地震災害。津波災害に脆弱な地域にお住まいであることを理解することができました。」
「海と川の耐震護岸工事はいいことで理解できます。下知地域は低地で海沿いなので、液状化が心配です。なにか対策はあるんでしょうか?」
それに対しては「液状化対策はやれないことはないと思います。まずは「命を守る」ことが第1歩。続いて「命をつなぐ」ことです。事前に可能な限りの対策は、個人でも地域でも企業でも行政でもしないといけないです。
JICA研修生を代表して、感謝の言葉をいただきました。JICA研修生の皆様も大変熱心に受講いただきました。下知のローカルな発想や実践例が、褒められました。本当に真摯な皆さんでした。有意義な1日を過ごすことができました。
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