困難極まりない企業の震災後の再生
3月11日で東日本大震災からまる7年になります。2018年3月5日の高知新聞夕刊記事では、あらためて大災害後の企業の再生が極めて困難である状況を思い知らされました。
「被災企業 再生1割届かず」という見出しがあります。再生支援完了は県のうち8・2%に過ぎません。自己破産や廃業で6件あったとか。
「完了62件の中では、インフラ整備事業が続く土木建設の14件、運輸の8件が目立つ。」とあります。全体の35%です。やはり復興事業がそのままビジネスになる土木建設業は被災地でも立ち上がりが早い。
「一方、津波被災地の基幹産業で、支援先全体の2割強を占める水産加工・水産卸は5件に過ぎず、機構の担当者は、全般的に業績が厳しい現状が現れたと分析した。農業や宿泊業は各1件だった。」
何故再生が困難であるかの分析はしているのでしょうか?自社が被災しスーパーや百貨店に商品が供給できなければ、仕入れ先も困ります.それで震災後の混乱している時期に新規に仕入れ先を確保している筈です。何年かたって融資を受け施設を再生したところで、すでに客先は被災地でないライバル企業に商権を奪われてしまっています。
一度失った得意先は取り戻すことは困難です。自社が甚大な被害を受けて同情されるのは3日まで。4日後から製品を供給できなければ、結果的に相手先に「機会損失」を与えたことになりますので、得意先の奪回は困難です。
無理をして借財をして設備を再生しても得意先がなければ返済もできません。とて悩ましい問題です。ひるがえって自社の場合どうするのか。事前対策をしておかないといけないと思いました。大災害後の復活は事前対策なしには不可能ですね。
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