ようやく災害弱者対策が1歩前進
2020年11月15日(日)の高知新聞1面記事には注目したい。
見出しには以下のように表記されています。
「災害弱者支援へ法改正」
「避難計画 努力目標に」政府方針
とあります。ようやく政府も「重い腰」を上げました。
記憶に新しいのは、今年の熊本豪雨災害で高齢者施設が水没し、部屋の中で多数の高齢者が逃げ遅れ溺死した痛ましい事例がありました。東日本大震災でも津波を避けようとしたディサービスの車両が津波避難ビルの階段下まで来たものの、歩けない高齢者は全員車の中で溺死されました。
痛ましい災害の犠牲者の多くは「災害弱者」と言われる高齢者や障害を持たれている人達であり、自力避難が困難な人たちでもあります。
ただし国の方針転換は、「義務化」をして予算措置をしていないようなので、どれだけ実際の効果が出てくるのかは極めて疑問ですね。記事にはこう書いてありました。 以下引用。
「内閣府は災害対策基本法を改正し、市区町村に努力目標を課すことで、作業を後押しする考えだ。
現状では地域によって取り組みに濃淡がある上、作成には時間と努力がかかるため、義務化には踏み込まない見通し。」(引用終わり)とありますね。偉そうに国は市区町村に「言うだけ」でお終い。後は良しなにという姿勢はいかがなものか。何の対策にはなりません。
現実を見据えている記事にはこう書かれています。以下記事引用。
「個別計画は高齢者の心身の状況を踏まえる必要があり、市区町村の職員だけでは作成するのは現実的ではない。このため千文知識があり、日常的にケアに当たっている福祉関係者の協力を得て作成するように求める。」(引用終わり)
それは当然のこと。現在高知市地域防災推進課が「個別支援計画づくりの推進」を自主防災会に下ろしてきていますが、市役所の福祉部門の協力と調査が先にあって、それから協力依頼をしてくるのが筋です。
こうも記事に書かれています。
「市区町村職員の手を借りず、本人や家族、地域住民が自主的に計画をつくるのも可能にする。この場合にも、必要な内容が盛り込まれていると確認できれば、市区町村が主導して作成した個別計画と同様に扱う」(引用終わり)
既に二葉町自主防災会は、結成直後か防災世帯調査を行ってきました。3回実施しています。世帯調査の回収はとても大変ですが、町内の6割程度の情報を把握しています。
http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/cat43795528/index.html
(二葉町防災世帯調査)
地域の高齢化が進展していることもあり、自宅から50M以内に「地区避難ビル」を増やしました。当初の11か所から15か所にしました。私たちは「当たり前」のことを実行しています。国や自治体が「遅れている」だけのことです。
国が「偉そうな」ことを言うのであれば、予算化すべきでしょう。作成費用など負担してもらいたいものですね。
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