担い手を大事にしない日本のアニメ業界
2021年6月25日(金)の日本経済新聞1面の連載記事「安いニッポン ガラパコスの転機」では「和製アニメのたそがれ 低賃金放置 人材は中国へ」の記事は 全くそのとうりであると思いました。
「風の谷のナウシカ」「鬼滅の刃」 日本アニメの世界の高い評価と裏腹にアニメーターの待遇は劣悪だ。日本アニメーター・演出家協会(東京・千代田)の調査ではm年収が400万円以下との回答が54・7%にのぼる。日本の民間企業の平均(436万円 国税庁調べ)を下回る。」
協会に所属していない中小の制作会社はもっと悲惨。若手は月給9万円、3年以内に9割が離職するとのこと。日本のアニメ業界全体が「若者のアニメへのあこがれに甘え、低賃金の人海戦術を展開してきたためだ。」と記事にはあります。
一方の中国はこの5年でアニメーターの平均月収は7割以上伸びたとのこと。東京のいある中国のネット大手会社の傘下の東京のアニメスタジオでは18人の日本人アニメーターを雇用しているとか。専門学校卒で初任給は17万円で、住宅手当や交通費も支給と言います。日本のアニメ会社からの転職が多い。
結局「貧すれば鈍す」の状態で「このクオリティだと配信できない」と中国企業から突き返されたとか。中国はデジタル作画が主流。日本の中小アニメ制作会社は作画の品質維持すら難しい状態になって来ています。
日本の「お家芸」と言われ、政治屋や官僚たちが「自慢」してきた日本のアニメ。足元から崩れています。ほどなく中国やインドが「アニメ大国」になることでしょう。
2000年以降「新自由主義」的な経営手法の破綻ですね。勤労者の賃金が全く上がらない日本社会のいびつさの象徴の1つがアニメ業界の実態です。
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