複合災害にどう備えるのか
昨年からのコロナ禍の蔓延で、行政側の防災部署も地域の防災組織も、コロナ感染症を異常に恐れ、防災訓練や防災研修を中止したり、延期したり、規模を大幅に縮小したりしました。おそらく正しい選択であると思います。
しかし自然災害(地震・水害・津波・噴火・台風など)は、地域がコロナ禍で大変だから、「訓練を中止」したように、配慮し待ってはくれません。お構いなしに発生します。
記憶に新しい7月初めの静岡県熱海市の大雨による土石流災害がありました。自宅や店舗などが破壊された人たちはまず近くの行政側が指定した避難所に向かいます。多くの人達が避難所生活をしています。
静岡県は防災対策が全国でも1番充実した県の1つです。L2想定(東日本大震災クラスの1000年に1度の大地震・津波)であっても静岡県民の仮設住宅の用地やみなし仮設の確保は100%であると全国紙の記者に以前聞きました。
一方の高知県。確か数年前の話ですが、L2想定の南海トラフ地震で高知県では7・7万戸の住宅が必要になりますが、2・3万戸分しか「みなし仮設」を含めても確保していません。確保率が29・8%であり、30%行っていません。
数年後の現状が大幅に改善した話は聞こえてきません。災害で「ホームレス」になったら高知県内で避難生活が多くの家を失った県民が出来ないことは確実です。5・4万戸不足するということは1世帯2人として10・8万人の高知県民が高知での避難生活が出来ないということです。
今はコロナ禍で「1番県が解決しなければいけない問題」が隠されてしまいました。言えることは日本国は有史以来災害が多発している災害大国です。地震・津波・噴火・大雨・疫病など年中行事であり、今もそうです。
複合災害は当たり前です。コロナ禍だけが特別ではありません。そうなる場合も確率が高いので、コロナ禍で地震が発生する、浸水する。津波が来ることはあり得ます。
ですので減災対策と感染症対策を両方無理のない範囲でやり遂げる覚悟が、低地の市街地に住む人間の「たしなみ」であり、「覚悟」ですね。
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