脱プラスチック社会の空しさ
高知新聞2021年11月17日号の記事は「脱プラスチックも不可避」という東京農工大学教授高田秀重氏のコラムを読みました。古新聞をストックしたなかで目を引いた記事でした。
プラスチックごみを燃やして発電用にする「サーマルリサイクル」は間違いと断じる。日本ではプラスチックごみの7割が焼却されているとか。
リサイクルに取り組んでいる企業も多い。セブンイレブンなどが販売したプラスチック製品を店内で回収してリサイクルしているぞと「大々的に宣伝」しています。そんなに偉いことなんだろうか?当たり前のことで宣伝すること自体が気恥ずかしい限りです。
高田氏はこう言われています。
「リサイクルするよりも、社会全体のプラスチック使用量を減らす「リデュユース(削減)が何より重要で、なによりそれが何より重要で、それが脱酸素に繋がる。
使い捨てではない金属やガラスなどの容器の「リユース(再利用)」重要で、新ビジネスも芽生えている。」
高田氏は知らないのだろうか?40年くらい前の日本社会は、ほぼ完ぺきな「リユース社会」であったことを。
お酒やビールやジュースなどは瓶で販売されていました。飲料後は回収され、メーカーは瓶を洗浄し。再利用していました。
父の時代ではうちの会社は塩酸などを地方の清涼飲料水メーカーに販売していました。それは瓶を洗うための工業薬品でした。酒造メーカーにも大量の塩酸が販売されていましたね。
それが30数年前から当時の通産省、今の産業経済省が「ワンウエイ容器の利用促進」を提唱し、積極的に飲料メーカー、醬油やソースメーカー、酒造メーカー、ビール会社に働きかけました。
瓶はペットボトルや紙パック容器やアルミ缶容器になりました。つまり1回使用するたびに使い捨て(ワンウエイ)を政府が提唱したのです。
メーカーは回収する手間暇がなくなり大幅なコスト減になり収益増になりました。一方で使い捨て容器はすべてゴミになり、全国各地の自治体財政を圧迫しています。
当時は政府が経済優先で環境破壊をしていました。今更@何だ」と言いたいですね。「新ビジネス」なんてものではなく、完璧なリサイクル社会を破壊した責任を政府はとるべきであると思いますね。
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