週刊文春・7月21日号は衝撃
7月8日に山上容疑者の手製の銃で安倍晋三元首相が暗殺されました。週刊文春7月21日号を購入して読みました。(FBでmuramatuさんがご紹介されていました。)。ある宗教団体に破壊された家族の悲劇が克明にレポートされています。
新聞やテレビが詳しく報道しないので、あえて記者クラブなどに入会していない「野良犬メディア」の週刊文春の記事を読みました。詳細な調査記事、聞き取り記事に感心しました。
「安倍元首相暗殺 伯父が告白 山上徹也「父の自殺と母の統一教会1億円」
「38年前、京大卒の父が自死する。母は統一教会に入信し財産をほぼ寄附して、再三、韓国の渡るようになる。さらに1歳上の兄が難病で失明した。山上は奈良県有数の進学校に通いながら、大学進学もままならず、入隊した海上自衛隊でも自殺未遂。
事情聴取に語ったのは統一教会への恨みだった。」(P22)
「あの子の母親は統一教会の催しで韓国に入り浸ってなかなか帰ってこなかった。あの子は宗教にハマる母のことで、ずっと思い悩み、長いこと苦しめられてきたんですわ」
こう告白するのは傘寿が近づいても矍鑠とした様子の”暗殺犯”の父方の伯父その人である。今回、事件の背景をきちんと報じてほしいと、合計2時間半に及ぶ小誌の単独取材に応じた。
記事によると山上容疑者の家庭は裕福な家庭でした。父親は京大卒の土木技師、民間企業に勤務。母親も大阪市立大学卒の才媛。母親の家庭は建設会社を営み建設会社でした。
暗転したのは山上が4歳の時の父の自死。自殺の3年前に母親の実母が亡くなり、心が不安定になり、統一教会にハマっていきました。
母親は父親の生命保険金5000万円を統一教会に寄進しました。先祖解怨式に複数回参加して、1回70万円を寄進していたようでした。
やがて相続した実家の土地建物なども寄進し、総額は1億円になったと思われます。家や土地を教団に寄進し、一家は困窮し、山上も進路選択の自由も奪われました。
なんともおぞましい事情を知ると言葉を失いました。
「家庭を破壊した統一教会を憎悪し続けてきた山上は、その関連団体にエールを送る安倍氏を殺害したと供述しているという。」(P28)
山上もまた「被害者」ではないかと思いました。安倍氏の死後直後「民主主義の危機」が叫ばれました。山上が言論や社会運動で解決策を志向するのではなく、テロ行為に解決策を図ったこと自体が、民主主義の危機ではないかと思いました。
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