略奪文化財で問われる人権外交の本気度
日本経済新聞2023年6月28日の文化面での記事。面白く読みました。「略奪文化財のいま」「植民地支配の歴史清算」「欧州、外交・安保とも関り」と見出しもっ仰々しい。
今でこそ欧州諸国(米英仏独蘭伊・ベルギー・スペイン。ポルトガル)などは、ロシアのウクライナ侵略戦争に異を唱えています。またアジアで巨大な経済力と軍事力を背景に「やりたい放題」の中国に対し、「力による現状変更に反対」だとか言うています。
しかしいわゆる米国と欧州諸国はかつて、アフリカや中東、アメリカ大陸、アジアに進出し、過酷な植民地支配を長きにわたりしてきました。植民地から資源や富を収奪し、現地の人も奴隷として売買するなど「人でなし」の行為を長きにわたりしてきた前歴・前科があります。過去の身の上は全くクリーンではない。
過酷な植民地からの収奪で欧米諸国は豊かになり、近代国家を成立させ、この世の春を長らく押下していました。その中で現地の美術品も収奪され、大英博物館やルーブル美術館、スミソニアン博物館などに収蔵されてきました。遅ればせながらかつて収奪しまくった国々に美術品を返還するようになりました。
やはり中国の台頭やロシアの吟じ侵略が、大きく影響しているようですね。人権無視の独裁国家と避難するなら、かつて収奪しまくった美術品を返却するのが筋だろうに。
ただアフリカ諸国は最近のスーダン異様に政治的な不堰堤。また内戦や経済的に逼迫している国が多く、美術品を変換してもきちんと博物館に収納してくれるのかどうかはわからない。
欧米諸国の思いが本物なら。美術品を収奪した国々を支援し、美術館の建設費用や学芸員の教育などもきちんとすべきでしょう。そこまでやってから返還したと言えますから。
記事には「中国やロシアなどの強権国家に「人権や法の支配を尊重せよ」と迫るには、自らを律しないと説得力に欠ける。著言う事情もある。」と書かれています。そのとうりです。
どうなるのか注目しています。
| 固定リンク
コメント