明仁上皇関係本を5冊読みました。
まがいものの天皇元首を排す

最近は「自称右翼」の人の発言や新興の極右政党までが、日本国憲法を破棄し、憲法を改正(改悪)して、天皇を元首にした戦前型の日本社会に変容させようと動いています。
現在の日本国憲法では、「思想信条の自由」が国民各位に保障されていますのて、現在の日本国憲法の理念である「国民主権」「基本的人権」「平和主義」を否定する主張をしても、逮捕されないし、立候補し議員になることができます。
しかし彼らが画策し、憲法を改悪して「天皇元首の国家主義体制」を他ならぬ現在の天皇家と皇族がのぞんでいるのだろうか?
全く望んではいないと思います。何故なら現在の天皇家は「平和を望み」「沖縄や広島、長崎を慰霊の旅」をされ、国民とともに平和を強く祈願されています。
天皇家は靖国神社には決して行きません。今後も行かないと思います。では彼らは何故天皇家が全くのぞんでいないことん平気でするのでしょうか?わたしには理解できません。
明仁上皇関係本を5冊読みました。
象徴としての天皇の役目として「平和を祈願する」ことを定着されたのは明仁上皇です。その関連図書をオーテピアから下知図書館に取り寄せました。気合を入れて読んでみます。
5冊の明仁天皇(現上皇)に関する書籍を、図書館で借りて一読しました。かなり「飛ばし読み」したににすぎません。
日本国憲法「第1条」の天皇の規定があります。「象徴」と憲法で規定されている天皇の存在を、国民各位に「天皇の存在とは平和を祈願し、国民に寄り添う(被災地視察など)存在を確定したのは、皇太子時代からの明仁上皇でありました。
5冊の書籍は「平成の天皇制とは何か 制度と個人のはざまで」(吉田裕・瀬畑源・河西秀哉 編者・岩波書店・2017年7月・刊)、「楽しい知識 ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代(高橋源一郎・著・朝日新書・2000年9月刊)、「明仁天皇と平和主義」(斉藤利彦・著・朝日新書・2015年7月刊)、「国民の天皇論の系譜 象徴天皇制への道」(伊藤晃・著・社会評論社・2015年12月・刊)、「平成の天皇と戦後日本」(河西秀哉・著・人文書院・2019年6月刊)でした。
5冊の著作を一気に読んで、著者や、出版会社は違いますが、平成の明仁天皇の特長としても共通点、人格形成の肝は以下であると理解しました。
①二次大戦中は山間部に疎開。敗戦後東京へ戻り、空爆で廃墟となった東京を見て物凄くショックを受けたことであると思います。
②生まれてすぐは、歴代天皇がそうであったように、家族から切り離され、乳母や取り巻きたちに育児をされていたようです。
③「生まれながらの皇太子」であり、敗戦前は父親の昭和天皇は陸海軍を統率する立場の国家元首。当然跡取りとして、小学生時代から「選ばれた学友たちとの付き合いをされていた。
④敗戦後の「皇太子教育」は、敗戦前と打って変わり「憲法で規定された象徴天皇-戦後日本人の代表」となるべくの教育が行われました。
その代表的な実例がアメリカ人女性の家庭教師エリザベス・グレイ・バイニングさんが選定された。「永続的な平和の貴ぞとなるべき自由と正義と善意との理想を、成長期にある皇太子殿下に示す絶好の機会が今目の前にあるのだ」(1989年「皇太子の窓」文藝春秋1989年)大1章新しい皇太子像の創出」P22 平成の天皇と戦後日本より」
⑤もう1人の家庭教師小泉信三の影響。1910年から1936年まで英国国王のジョージ5世の「君臨すれども統治せず」の立憲君主制の極意を小泉信三は明仁皇太子に説いたようです。実は昭和天皇も皇太子時代に英国留学時にジョージ5世に、立憲君主制について説明を受けたようです。
「こうして、小泉は日本国憲法における「象徴天皇制」の原則を「ジョージ5世伝」や「帝室論」をテキストにして講述し、それらにイギリス王室の伝統や国際的な視野を加え、さらには日本の天皇制の歴史も取り込んで具体化し、皇太子に伝える役目をはたしたといえる。」(「民の支持」を重視した小泉」P136 明仁天皇と平和主義より」
⑥民間人正田美智子さんとの結婚は、国民的な人気に裏付けられ、象徴天皇制を国民各自に浸透させることになりました。
⑦「憲法に書かれた」国事行為以外の象徴天皇の務めとは、祈ることと、市井の人々と対面し続けることだ。」(P101ぼくらの天皇なんだぜ。「楽しい知識」)
明仁天皇を引き継いだ今上天皇も、戦後80年という節目の年でもあるので、8月15日の終戦記念日意外に、沖縄訪問、広島、長崎、モンゴルなどの「慰霊の旅」をされました。「平和への強い意志」を表明されています。
現在の天皇家は、戦前のように元首になり、国民を戦争に駆り立てる役目は担わないと思います。平和への祈願がつよくあり、靖国神社へは絶対に行きませんから。
「祈ることと、市井の人々と対面し続けること」が天皇家の象徴としての最大のお役目であると私は思います。
| 固定リンク


コメント