朝鮮半島問題

2017.04.27

危うい米国の「砲艦外交」

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 米国の攻撃型空母が西太平洋を巡回しています。周りを6隻のイージス艦が取り囲んでいます。空母には戦闘機が80機搭載されています。イージス艦には先日シリアを攻撃した巡航ミサイルが搭載されています。アメリカは伝統的な「砲艦外交」を展開しています。

 シリアへの米軍の攻撃は遠い中東の出来事でした。しかし相手国が北朝鮮ということになると日本の隣国。万が1開戦となれば、米軍基地がある日本本土も真っ先に攻撃されますね。シリアはせいぜい化学兵器ぐらいしかありませんが、北朝鮮はミサイルやら化学兵器やら、核兵器まであるようですから危険極まりない隣国。

 おまけに反米・反日国家と来ています。日本人拉致問題も全く進展がありません。戦争事態になれば絶望的になりますね。キューバ危機の場合は、アメリカもソ連も直接対話していましたから。今回はそのチャネルすらもなさそうですんで怖いです。

 お互い「勇ましげな」人物がリーダーになっているので余計に怖い。

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2017.04.09

「親日派のための弁明」を読んで

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 「親日派のための弁明」(金 完燮・キムワンソプ・著・荒木和博・荒木信子・翻訳。草思社・2002年刊]を読みました。現在韓国では反日運動が高まり、大使館前や総領事館前の「慰安婦像」は撤去されず、5月実施の大統領選挙でも、野党の反日発言を繰り返す候補者が有力とか。

 かくも執拗に韓国社会は「反日」なのか?大戦前日本が統治した台湾ではむしろ親日的な人が多い。韓国では反日一色。何故なのかが正直わかりませんでした。

 筆者の金 完燮氏自身は、当初は反日観を強く持っていて日本に対して他の韓国人同様に憎悪を持っていたそうです。その対日観に変化を生じたのは、2年間のオーストラリアでの生活でした。同じように開発途上国として出発した韓国とオーストラリア。埋めがたい差は何か?

「オーストラリアと韓国を比較してみたとき、開発途上国として出発した国は一世代や二世代ぐらいの産業発展では、とうてい先進国になれないという事実を痛感しました。オーストリアと韓国にはそれほど大きな差があったのです。

 私は海外旅行を通して、国際社会における韓国と日本の位置をより客観的に認識できるようになり、朝鮮の開国期と日本統治について、一方的に歪曲された歴史認識から徐々に抜け出し、バランスのとれた認識がもてるようになったのだと思います。(P2 日本語版の序文)

 また金 完燮氏は、高校生時代に光州で命がけで武装闘争をした人物です。時の軍事独裁政権と対峙した人です。その後名門ソウル大学へ入学し、幅広い学問をされ、卒業後は雑誌記者を経て、作家、評論家になりました。

 20世紀初頭の日本と朝鮮との関わり、当時の日本の評価を客観的な視点からしています。

 「王と貴族による専制的な階級社会から抜け出し、法が支配する市民社会へと移行することは、朝鮮や日本だけでなく、世界のすべての国家にとってもっとも緊急の課題だった。」

「19世紀末、市民革命の潮流の中で変化を拒否した清国、ロシア、朝鮮の王朝が順に滅亡し、遅まきながら市民革命に成功したドイツと日本が国際社会の主役として堂々と参加できたという事実を見ればそれは容易に証明できる。

 すなわち19世紀末の朝鮮において体制をひっくり返す革命は、選択の問題ではなく生存の問題であった。」

「・・・この時期、朝鮮を経由して大陸に進出しなければならない日本の利害と、市民革命を通じて文明開化を成し遂げなければならない朝鮮の利害はかなりの部分で一致していた。

・・・当時の日本は国運をかけて朝鮮の独立と改革を推進し煽ろうとした。この時期に朝鮮の改革派はこぞって親日路線を選択したが、これは日本だけが唯一朝鮮の改革を後押しする勢力だったからだ。(P145「第2部相生の歴史」

 このあたりの記述は大変韓国では「勇気のある」発言ではないかと思いました。

「一世代や二世代ぐらいの産業発展では、とういて先進国になれない」という発見が「日本統治がなければ、李氏朝鮮の専制体制のままで、自力で近代化するなど到底できなかったのではないか」という問題意識に発展したのだろう。その一方では、アジアで唯一、近代化に成功した日本があった。

 歳月が流れ、最近「パール・ハーバー」という映画をみながら、私は日本軍を応援している自分を発見した。60年も前に大規模な空母艦隊を率い、地球の反対側まで出征して、アメリカの太平洋艦隊を叩きつぶした日本という国の偉大さに、私は感動し驚きを覚えた。(P19 ショービニズムの狂風のなかで)


「自らが中世いらいの専制政治に依存していた清国やロシアは、決して朝鮮の改革と近代化を望まなかったし、朝鮮の反動勢力を利用して朝鮮半島に対する支配権を維持することに血眼になっていた。」

「これにたいして、朝鮮と似た境遇にあり、すみやかに発展したがゆえに生き残ることができた日本は、朝鮮が一日も早く改革し近代国家へと移行して市場経済体制が定着することを望んだ。だからこそ日本は機会あるごとに、朝鮮の革命勢力を後援したのだった。かれらは自国の利益のためにも旧弊な腐りきった朝鮮王朝と手を結ぼうとはしなかった。これが日本と他の外国勢力との根本的なちがいであった。(P160・第2部相生の歴史)

 まるで日本の「右翼」の記述のようですが、さにあらず、高校生時代に独裁政権と戦った革命戦士の記述ですから。

 自国民を無慈悲に抑圧し、奴隷のような状態に据え置き、自らの権力維持のために清国と手を組み、時にロシアと手をくんで、朝鮮を近代化しようと言う自国民の声を李王朝は全く聞きませんでしたから。愚かでした。

 まるで日本軍が「革命軍」のように描かれています。

 二次大戦後の日本も似たようなところがあり、社会の民主化は、米国占領軍・GHQによるところが大きかったと言えます。農地解放、婦人参政権、労働運動の自由化、日本国憲法の制定による、社会の民主化の推進は、占領軍のおかげです。悪法の治安維持法も廃止しました。

 変化を嫌う頑迷な連中が政府を支配すると国民が塗炭の苦しみを味わうことは戦前15年戦争を繰り返した日本帝国と、20世紀初頭の朝鮮国も同じでした。外圧と外国の軍隊が、民主化と近代化を促進したことは共通しています。

 また筆者は世界史的な観点から、朝鮮の近代化は当時は自力では到底ないせなかったと説明しています。

「封建社会の伝統をもつヨーロッパと日本は順調に資本主義社会に移行し、産業革命と急速な生産力の発展を経験した。この過程で新しい生産構造にあう政治社会構造が導入され、近代社会が誕生することになった。

 しかし奴隷社会から封建社会へ発展することさえできなかったその他の世界では、自主的な資本主義が育たず、資本主義帝国の植民地に編入され、さまざまな形態のひずんだ社会発展を経験した。

 マルクスはこのような第3世界の停滞性を「アジア的生産様式」という概念を用いて説明しようとしたが、その原因を明確に説明することはできていない。じっさいマルクスの時代には、第3世界の停滞性という概念さえ存在しなかったのだから、問題意識も生まれないのだ。

 封建社会を経験できなかった台湾と朝鮮もその他の世界に属していたが、これらの地域は日本の統治によって市民革命をなしとげて近代資本主義社会に発展できた。

 日本の知識人は早くから朝鮮と日本は発展段階において大きな格差があることを認識し、みずから朝鮮の文明開化を先導する産婆役を買って出たのだ。」(P85 夜明けのアジア)

 まさしく「朝鮮の近代化は日韓併合から始まった。」のであります。中国の近代化はアヘン戦争からと同じく、外国の影響がありました。日本統治を筆者は客観的に見据えています。

 日本統治には「良い面もあった」という論の前提には、日韓併合を悪とする考え方があるが、金完燮氏はそもそも合邦自体が悪とは全く考えていません。むしろ「よりましな(ロシアや清国の支配下になるより)選択をしたと言いきっています。                                                           (中略)

 朝鮮人にとって、併合と総督府統治はおおむね広範囲な支持を受けたと考えられる。ポツリポツリと抵抗運動が発生したり、海外で独立運動する人びともいることはいたが、彼らが朝鮮社会の主流とはいえない。当時の朝鮮人は自らのアイデンティティーを、大日本帝国の臣民と規定して満足な生活を営んだと思われる。(P286 )

 司馬遼太郎氏がかつて言われたように、日本の朝鮮と台湾の植民地統治は、欧米諸国のように資源を奪い去り、自国の市場にするだけで、近代化投資はまるでしない収奪だけではなく、逆に地籍調査を行い、農地改革をし、学校を建設し、社会資本を整備し、両国の近代化の基礎をつくりました。

 今の韓国人の多くがヒステリックに叫んでいるように、「日本帝国が植民地支配で韓国から資源を収奪し尽した。」と言う訳ではありません。それは大正時代に経済雄評論家の石橋湛山氏が「朝鮮、台湾の植民地経営の収支は赤字。投資に見合う見返りは乏しい。独立させるべきだ。両国民に感謝されて、交流と交易で経済を発展させるべき。」と「小日本主義」で書いています。

 韓国は朴・クネ前大統領が逮捕・拘留され、来月にも次期大統領が決定します。有力候補は、誤った歴史観を有し、反日をわめきたてる野党の大統領候補が当選しそうです。

 それは日韓両国民には、良い事ではありません。

 2002年に「親日家のための弁明」は、韓国でも発刊されましたが、事実上発禁処分を受け、筆者は様々な妨害や脅迫を受け続けています。しかし筆者が海外体験を経て、独自の世界観を確立し、日韓の歴史を考察し、著作したのが本書です。

 自説を曲げずに堂々としている精神は、高校生時代に軍事政権に対抗し、全羅南道庁舎に立てこもった骨太の精神の持主であると思います。

 朝鮮の植民地支配が全面的に良かったとは私は思いません。父(97歳)も旧制の工業高校を卒業し、朝鮮総督府の鉄道技師としてソウルに勤務していたとか。

 待遇は良く、一軒家が社宅としてあてがわれ、朝鮮人の給仕もいたそうです。普段はかしづいていましたが、父が体調不良になりますと、呼んでも出てこなかったそうです。やはり日本人への反感はあったんでしょう。当時も。

 石橋湛山が主張するように、独立国を促し、友好国として経済発展していただいた方が、両国にとって良かったと思います。

http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/post-4775.html

(石橋湛山評論集を読んで(その1)

 「日本憎し」の感情だけで、慰安婦像を日本大使館や領事館前に建てたり、外国でも立てたり、やることなすことが理解できません。彼等は「植民地支配を謝罪しろ」と言いたてていますが、朝鮮近代化の産婆は日本であるという歴史の真実を見ようとしない愚か者たちです。

 慰安婦像の前で騒いでいる韓国の青少年たちは、金 完燮氏の著作「親日派のための弁明」を落ち着いて精読されることをお薦めします。

 なかなか韓国にもしっかりした骨太の社会思想家がおられることは、よろこばしいことと思いました。一読をお薦めします。

 

 

 

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2015.12.30

ナチスの突撃隊のように粛清するつもりなのだろうか?

 安倍晋三さんのフェイスブック。支持者と思われる皆さんからの「怒りの投稿」で満ち溢れています。どうしたことでしょうか?


 観察するにたぶん安倍晋三さんの「本質」は何も変わらず、少し「リベラル的な発言」「善隣友好的な発言」をしますと自民党の支持が増えることを「学習」された成果であると思います。今回も安倍内閣の支持率が上がるでしょうから。

 歴史的な教訓から言えば、かつてナチスで強権をほしいままにした突撃隊が、粛清されたことがありましたが、その類の「一種のガス抜き」なのではないかと推論されます。

 それにしても罵詈雑言の嵐ではありますね。フェイスブックを閉鎖したり、書き込み投稿を禁止されていないと言うことは、完全な「ガス抜き」であると思われます。

 1部を読みましたが、結構キツイ内容ですね。

          ↓

●あんな嘘つきでドロボーの朝鮮人の国に一円も出してはだめです。間違った選択をしないで下さい。間違った選択をしたら、安倍総理と自民党の支持者は半分以下になります。私たちの税金をそんなことに使わないで下さい。

●安倍総理、慰安婦問題を巡るこれまでの政権の姿勢を支持していたのですが、本日は完全に幻滅しました。予算からの基金支出は日本政府としての法的責任を認めたことになってしまいましたし、韓国内や米国などの慰安婦像の撤去も合意に含まれていないというではないですか。今回の拙速な合意は政権を揺るがすものであるだけでなく、日本の将来に深刻な禍根を残すものですよ。

●安倍さん、今回の韓国対応、完全に判断ミスですよ。国民の意志とかなりずれてますいままでが良かったから本当に残念です、今からでも遅くないです。岸田さんを即刻帰国させて下さい。

●決済みで突っぱねればいいものを、なぜわざわざ日本から出向いてまで慰安婦問題で動いているのか、本当に理解に苦しみます。
もし韓国に譲歩するようなこともあれば安倍総理の支持層を失うことになると思いますよ。

●私の祖父は、満州で整備兵長として働き、更にシベリア抑留で、クラスノヤルスク州のギートラで強制労働までして、肺結核を患って帰還したのに、日本兵は慰安婦を犯していない。金で雇われた売春婦だけ。 それなのに、日本兵を全て性犯罪者にした安倍総理や安倍政権や自民党には、本当に失望しました。

●私の祖父は性犯罪者になるために、戦ったんじゃない
日本と家族を守る為に戦ったんだ。

●合意って出てますけど、まさかあの国が本当に蒸し返さないと思ってるんでしょうか?何度やられれば気がすむのですか?
あと、10億円とニュースで出てますが税金で払う気ですか?
あいつらにくれてやるために少ない給料から税金払ってるわけじゃありませんので、政治家のポケットマネーでやってもらえませんでしょうか!!!!怒怒怒
民主でさえ慰安婦問題で妥協したなかったことを(野田の時に危なかったと聞いてましたが)安倍総理がやるとは見損ないました。

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2015.07.14

「戦争をしない国 明仁天皇メッセージ」を読んで

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 「戦争をしない国 明仁天皇メッセージ」(矢部宏治・著・須田新太郎・写真・小学館・2015年7月・刊)を新刊で購入し読みました。週刊ポストに宣伝があったので金高童書店で購入しました。明仁天皇の実像が語られています。写真も効果的に使われています。見入ってしまいました。

 象徴的な写真に明仁天皇の言葉が載せられています。

「普通の日本人であった経験がないので、何になりたいと考えたことは1度もありません。皇室以外の道を選べると思ったことはありません。」と言う言葉は衝撃的でした。確かにそうですが、「当事者」の発言だけに重たいです。

 明仁天皇が生涯をかけて先の大戦の戦没者の慰霊をされている。その強い意志に驚きました。いったい今の安倍内閣は何をしているのだろうと思う。

 明仁天皇の平和への想いを平気で踏みに知る行為をしています。恥ずかしくはないのだろうかと真底思います。
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 11歳の時に日本の敗戦があり、疎開先の日光から東京へ戻って来られた時一面の焼け野原に衝撃があったと思います。15歳の時に職業選択の自由がないことを良く理解されていたのです。

25歳で美智子妃と結婚する直前には、

「ぼくは天皇職業制を何とか実現したい。(略)毎日朝10時から夕方の6時までは天皇としての事務を執る。(略)そのあとは家庭人としての幸福をつかむんだ」

「僕は皇居内に住みたくない。皇居はなるべく早く開放して、大衆向きの公園に使ってほしい。(略)天皇になっても、ぼくは街の中に住む」(P9)
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その願望は実現しませんでしたが、美智子妃殿下と一緒に、3人の子供たちを自分で育てることは貫徹しました。強い意志を感じます。

 昭和天皇の誕生日の4月29日(1946年)に東京裁判でA級戦犯が起訴され、明仁天皇の誕生日(15歳)の12月23日(1948年)に処刑されたのは偶然ではありません。

「この裁判と処刑が何を意味するのか、天皇とその後継者は、絶対に忘れてはならない。」(P17)の占領軍のメッセージがこめられています。

日本とは何か、敗戦とは何か、占領軍とは、憲法とは、戦争責任とは、新しい時代の天皇制とは・・・・。

 この15歳の誕生日に受けた衝撃が、明仁天皇の長い長い、まもなく70年におよぼうとする「思索の旅」の根底に、つねにあったのだと思います。

 そしてその思索にはもちろん、父である昭和天皇の戦争責任についての検証と、そうした問題を自分はいかにして克服し、過ちを繰り返さないようにするべきかと言う、大きな心の葛藤も含まれていたことでしょう。
 

 その心の旅が長い手探りの時代を終え、ひとつの形を取り始めるきっかけとなったのは、東京からはるか遠く離れた島、沖縄との衝撃的な出会いだったのです。
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 サイパンの慰霊にも出掛けられています。
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 そして今年(2015年)は、80歳を超えてパラオ諸島へも巡礼の旅に行かれました。
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 中国に対する想いと謝罪もされています。
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 韓国に対する想いと謝罪もされています。
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 象徴天皇制という制約だらけの立場の中で、巡礼の旅を続けられています。国内では大災害の被災者に常に寄り添い、福島第1原子力発電所からの避難生活を続かられている人々への想いを常にされておられます。
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 終戦から70年の年に、明仁天皇は平和への決意を一層、巡礼と言う形で表現されておられるようにこの著作から感じました。写真も効果的です。
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 安保法制と言う粗雑な「戦争法案」を安倍内閣は「数の力」で国会で採択しようと画策しています。2013年の参議院選挙でも、2014年の衆議院選挙でもこのような「戦争法案」の話は安倍首相は国民に対して一切していません。

 ひたすらご当地ネタか、アベノミクスという経済政策を誇らしげに語っていただけでした。選挙で戦争法案は信任されたわけではありません。そこを現在の自民党の幹部は理解していません。
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 あらためて明仁天皇の「平和への強い願望」を感じました。皆さんへも一読をお薦めします。

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2014.10.22

日本人は議論が上手くない

 橋本大阪市長と、桜井在特会会長との討論ですが、罵り合いと、罵倒の連続で短時間で終わりました。見ていてなんともつまらない議論でした。

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2013.06.11

米中時代を象徴する出来事

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 過日の地方紙の1面トップ記事。地方新聞でも1面に掲載されるだけ大きな出来事なのでしょう。
 中国の独裁者である習近平が、アメリカを訪問、米中首脳会談を行ったそうです。
 
 しかもオバマ大統領と独裁者習近平は、8時間にわたる1対1(通訳はおるでしょうが)の会談も行われました。まるで「世界分割」のための会談のようにも思えますね。

 記事を拡大した米中首脳は「満面の笑み」で、交渉が上手くいった、世界分割の取引・商談が上手くいったとの証でしょう。写真の表情が雄弁に語っていますね。
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 日本列島ー尖閣ー台湾が、独裁国中国の太平洋への道に立ちふさがっており、尖閣の領有をアメリカに「ボス交」するために中国が在米ロビーの工作資金をばらまいて実現させたものでしょう。国務長官ケリーは中国べったりですからね。
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 安倍晋三氏は、記者団に「日本は軽視されたのでは」との質問に「日米関係は同盟国。第7艦隊も駐留している国だ」と胸を張りましたが、単に米国の属国であることを表明したとしか思えない軽い発言でしたね。

 それにしてもアメリカの「ご都合主義」にも呆れますね。イラクの独裁者フセインは軍事行動でつぶしました。中国の独裁者には満面の笑み。おかしいと思いませんか。

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2012.04.07

北朝鮮のミサイル問題への別の視点からのコメント

さて北朝鮮のミサイル発射の件ですが、わたしの仕事に関わる部分でのコメントをしたいと思います。

言いたい放題の私です。一体何の仕事をしているのかと皆さん疑問をお持ちであると思います。わたしは防錆管理士という資格を持っています。(通信教育で取れる資格。残念ながら国家資格ではありません。)

 防錆屋というホームページをこしらえていますので、「錆に困っている」ということでしたら、ご相談ください。可能な限り回答いたします。

 (防錆屋)

 さてその防錆屋としての私ですが、今回の北朝鮮のミサイル問題について独自の観点からコメントいたします。

ネットなどで調べました。今回の北朝鮮の弾道ミサイルの燃料は液体燃料です。(非対称ジメチルヒドラジンと四酸化二窒素の組み合わせなど)

 液体燃料は非常に腐食性の高い成分で構成されており、燃料タンクに入れっぱなしだとタンクの内部が腐食して穴が開きます。だいたい1~2日ぐらいは大丈夫といわれていますが、ほんとは発射直前に素早く入れてドカンと発射、これがベストなようです。

 以前の中距離ミサイルの時はタンクローリーを横づけした燃料を注入したようです。今回は地下の液体燃料貯蔵タンクからパイプラインで搬送し、充填するようです。注入したあとに「外交的な駆け引き」などできるものではありませんね。

 弾道ミサイルの燃料タンクは金属でしょうから腐食問題は大丈夫なのでしょうか?ステンレスとかいう合金はしようしないでしょう。燃料タンクは「使い捨て」であるから。

 調べますとうちの取り扱いメーカーのジェット燃料を保管するタンクの防錆塗装は手間隙と労力がとてもかかりますし、塗料も高いです。

 仕様はブラストを入念に実施し満遍なく金属光沢がでるまで実施します。鉄の地肌を出して、二アホワイトメタル以上ですね。
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 鉄面の状態と素地調整について

 処理した後に塗装できる塗料はカーボジンク11という無機ジンクリッチ塗料です。あと可能なのはフェノライン373ですね。殆ど塗装不能であると思います。

 ということはロケットに燃料を注入したならば、すぐに発射しませんと腐食でどうにもならなくなるということです。置いておくと3日ぐらいで燃料タンクに穴が開く可能性があります。

 地下の燃料タンクも配管なども腐食対策、防錆対策をきちんとしていないと弾道ミサイルどころではないからですね。そのあたりの総合技術が北朝鮮にはあるのかないのかわかりません。
 
 塗料なども軍事物資の1つとも言えます。レーダーに映りにくいというステルス戦闘機には電波吸収塗料が塗装されています。海軍艦艇や航空機も金属でつくられていますので、防錆対策は軍事情報になるでしょう。

 ロケットを打ち上げるということは、それだけ裾野の化学工業もそれなりのレベルにないと期待される性能は維持できません。

 北朝鮮の工業の水準がどうなのか?情報が少ないのでわかりませね。

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2012.01.18

各種沖縄優遇策はでてきていますが・・・

  政府は、沖縄県に米軍基地の大半(日本全国にある米軍基地の75%!)を押し付ける代わりに、ここへきて各種優遇策を出してきています。しかしそれはあくまで小出しであるので、経済効果は殆どないでしょう。

 米軍の国際戦略で、「アジア重視」をオバマ大統領は鮮明にしました。イラクやアフガンから撤退し、イランが増長していますが、恐らく見てみぬふりをするでしょう。チキンゲーム化していますが、イランはなかなかし多々返すので、イラクのフセインのようなドジを踏まないとは思います。
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 普天間基地の移籍先が名護市辺野古に日米両政府で合意したのが15年前。環境影響調査書を防衛省が沖縄県に昨年末に提出しました。なんだかんだありましたが沖縄県側は受理しました。

 さてどうなるのか。アジア各地では強権国家である中国が「第1列島線」戦略をとり、あからさまな侵略・挑発活動を日本だけでなく、韓国やベトナム、フィリピンへ行い「迷惑な存在」になりつつあります。

 そのなかで日本の防衛はどうあるべきか。アメリカとの同盟関係はどうすべきかが問われてきています。難しい対応をしないといけません。

 ますます軍事拠点として沖縄の基地が重要になりました。しかしそこには130万人の沖縄県民が住んで生活しています。

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2012.01.13

「決断できない日本」を読んで

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 「決断できない日本」(ケビン・メア・著・文春新書)を読みました。「沖縄はゆすりの名人」などと発言し、長年担当してきた沖縄担当専門の国務省を退職せざるをえなかったケビン・メイ氏。彼の言い分も聞かないといけないと思いました。

 ケビン・メイ氏は1954年米国サウスカロライナ州生まれで、ラグネイル大学、ハワイ大学大学院卒で国務省に入省しました。米国でもIBリーグ以外のいわば人キャリアのたたき上げの外交官。

 日本在日勤務期間は19年に及ぶ知日派。経歴を眺めていますと、駐日大使館、国防総省空軍副次官、国務省化学・生物兵器・ミサイル不拡散副部長、東京大学東洋文化研究所客員研究員、福岡主席担当公使、駐日大使館環境・科学技術担当公使、安全保障部長、沖縄総領事。2009年国務省日本部長に就任するも「ゆすり」報道で解任。

 その後東日本大震災字には「トモダチ作戦」を主導、罹災地支援に米軍を動員する責任者となっておられました。2011年4月に国務省を退職。現在コンサルタント会社の顧問をしています。

 確か奥様も日本人ではなかったかと思います。大変な知日家でありました。昔ライシャワー駐日大使という人がいました。あの人も奥様が日本人。日米両国に尊敬心を抱く人物でありました。しかし世間様の評価はめちゃくちゃ。国務省まで報道される発言で解任されましたから。

「沖縄の人々はごまかしとゆすりの名人」「沖縄の人々は怠惰でゴーヤーも栽培できない」「日本人は合意の文化を金儲けのために使っている」と非難した共同通信の3月6日の報道は、絶対に事実ではありません。これは作り話です。

 日米安全保障について講義した3ヶ月近く後になって、生徒たちによって書かれたとされるメモにもとづいており、それはわたしの発言を意図的に歪めたものです。

 本書の第2章を読んでいただければ、この報道にまつわる事件は、日本のジャーナリズムの基準からすると最低のレベルだとお分かりいただけると思います。この事件は、沖縄における日米の同盟関係を崩壊させようとする反基地運動の人々のによる罠だったのです。」(P14)


 この後も日本の防衛省の官僚によるオフレコ発言が暴露され、沖縄担当の高官が解任され、野田内閣の任命責任が問われる事態になりました。沖縄問題はいまや日本政府の「鬼門」であり、日米同盟を揺るがす問題になっています。

 一方中国は尖閣諸島を執拗に領海侵犯し、空母を建造したり対外侵略活動を強化する為に軍拡をしています。沖縄の普天間基地移転問題は、自民党政権も、2009年以来の民主党政権も解決できない課題として、のしかかっています。

 年末にも移転先予定の名護市辺野古付近の「環境影響調査書」を防衛省が、沖縄県庁へ運び込もうとしてギクシャクしていました。今後の行く末が心配です。

 長年日米同盟の実務当事者をになってきたケビン・メイ氏はどうそのあたりを考えているのか。またメア氏はなぜ「罠」にはまったのか。そのあたりをきちんと読んでみたいと思いました。

 ケビン・メア氏の言い分を検討する為に、彼の著作から長くなりますが引用しようと思います。彼の言い分がそこには凝縮しているからです。
Fukusimagenoatuhigai

「福島原発事故後の政府・原子力関係者の対応は許しがたい酷さでした。)

「東日本大震災と津波、そして福島第1原発事故に対処してきた、米軍とアメリカ国務省のタクスフォース(特別任務班)の調整役として、わたしが直接目にしてきたのは、この由々しき危機に際して、日本のリーダーには決断力や即効性のある対応をする能力がないことでした。

 私の批判は時に厳しく聞こえるかもしれませんが、現代の日本政治や日本人のリーダーシップが改善されることであろうことを願って書いたものであり、お許しいただきたいと思います。

 危機後の日々における東北の人々の反応の仕方ーこのような圧倒的な困難にもかかわらず、規律が取れて我慢強いことーをニュースで見たことを思い出すとき、まだまだ3月でも寒い東北で小さないにぎり1個受け取る為に何時間も列に並び、深いお辞儀と「ありがとう」の言葉で気持ちをあらわす老人たちの姿を見たのを思い出すとき、私はいまだに涙ぐんでしまいます。

 この災害後に東北の人々が示した誇りは、日本人全体の気品のある性格を示す証です。気品ある日本の人々には、いま現在いただいている指導力より、さらに高度なリーダーシップが相応しいはずです。」(「日本の政治指導力の無能」P14)

「本書では、日米同盟の重要性について、そして同盟において沖縄が果たしている絶対的に重要な役割についても説明しようと試みています。日本を取り巻く世界がいまだに危険に満ちていることを、沖縄も含む日本のリーダーたちは気づく必要があります。
 
 彼らが、安全保障上の現実をもっとうまく国民のみなさんに説明しなければならないと思います。」

「私がアメリカ総領事とpして沖縄にいた3年間、沖縄の地元紙は私の「挑発的な発言」についてしばしば批判してきました。しかし私は、沖縄の人々に対して挑発しようと意図したのではなく、日米関係をより現実的な舞台におこなおうとしただけなのです。

 現実はときに挑発的なものなのです。国家の安全保障に関しては、とくにそうなりがちです。その特殊な歴史や地理的な背景、何10年にもわたって多くの困難な事態に直面してきたことはわかりますが、安全保障の厳しい現実は沖縄も例外ではないのです。

 沖縄の善良な人々にはもっと質の高いリーダーが現れるべきですし、、もっと現実主義的なリーダーが彼らには相応しいはずです。

「軍事的な問題がなくなり、沖縄は平和と調和のうちに生き続ける」といった漠然とした希望や思い込みこそ、非現実的なだけでなく、沖縄がまさに本当の脅威に直面した際には、じつに危険な考え方なのです。いまこそ沖縄の人々がそこに気付いてほしいと願っています。(「もっと安全保障の現実を見ていただきたい。」P17)

 まさにいまもまた「沖縄の普天間基地の移設問題」で、日本政府と沖縄県全体「保守派も含めて)対立構造になってしまいました。実に危ない状態ではないのでしょうか。

 またメア氏の見解は「米国を日本をどう見ているのか」という率直な見解ではないかと思いますね。アメリカ政府はある意味「模様眺め」であることはわかりますね。

 メア氏は共同通信の石山永一郎記者の取材姿勢を批判しています。

「いくら参加者14名のうち4人の学生たちのメモがあるからといって、70日以上経ってつくられた「発言録」なるものが私のすべての発言を正確に再現できるものでしょうか。「発言録」ともっともらしく名づけていますが、私に言わせれば「メモ」に過ぎない。(P66)

 メア氏の発言録をメモとして公表したアメリカン大学の学生たちは、沖縄へ行き「基地反対」の旗を掲げているような立場であったようです。しかも共同通信の石山記者は、彼らが来日した折に石山記者の自宅へ招かれていたそうです。

 メア氏は日本と沖縄との関係も歴史をよく正確に勉強しているようです。

「沖縄県民の目から見れば、400年前に琉球王国として独立していたのに、その後、薩摩に支配され、明治維新後は県とはなったが本土から差別されてきた歴史があり、差別されてきたという意識がある。
 
 沖縄のひとは自分から「本土に行くと,訛りがあるし肌の色も黒いし」などと言うこともある。そうした差別を沖縄の人々自身が心配し懸念しているーそうした文脈で話しをしました。だから沖縄のひとは日本政府をあまり信頼していない。お互いに信頼していないゆえに、基地をめぐる政治が複雑になっていることも解説しました。」(P78「嵌められたゆすりの名人報道」)

「かつて日米構造協議で問題になった大店法「大規模小売店法・2000年廃止)を例にとり、新しい大型の小売店が地元の商店街に進出する際には、そこの商店街組合と協議して合意を得ることになっていることを説明しました。

 当時の大店法の下では、新しい店を開く為に利益の数%を組合に差し出すといった交渉がおこなわっることもあり、われわれのような他国の文化から見れば理解できない仕組みでした。自分の店と競合する相手の店に利益を差し出さなくてはならないというのは、他国から見れば「脅迫」にしか見られないと説明しました。

 そういった文脈でブリーフィングのなかで使った言葉が、沖縄の問題にすり替えられています。」(P73)

確かにメア氏が日本通であったゆえに{罠」にはまったのかもしれません。{ゴーヤ発言」にしましても、{沖縄はサトウキビだらけ。それは手厚い補助政策があるから。ゴーヤはそれがない。それゆえ沖縄本島でもゴーヤが足りない情況になることがあり他県から移入している場合がある。」というメア氏の発言がいつのまにかゆがめられてメディアに伝達されたのでしょう。

 悩ましい沖縄基地問題

 歴史的に見ても、日本はアングロサクソンの国である米国・英国と協調していた時代「戦前では日英同盟)は、うまく行っていました。日露戦争後日英同盟を破棄してからおかしくなり、40年後の1945年には世界中を相手にした戦争に敗れ、国土は焦土化しました。

 敗戦後は米軍の単独統治下におかれ、サンフランシスコ講話条約締結と同時に、日米安全保障条約に調印。独立後も続いて日本に米軍基地が置かれる事になりました。独立後日本本土への基地の返還は進みましたが、占領が続いた沖縄県では基地がむしろ増大しました。一部は変換されましたが、米軍基地の75%が、狭い沖縄本島に集中しています。
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 強権国家の中国、北朝鮮。ロシアという軍事大国が海を挟み日本と隣接している現実。沖縄の米軍基地の存在意義がますます大きくなりました。このあたりが実に悩ましいです。

 以下のメア氏に発言は米国政府を代表する発言であるので注目です。

「平和な与那国。石垣両島に米艦が寄港すれば、中国を刺激するから寄港に反対するという意見も繰り返されましたが、これこそナイーブな考え方でしょう。米艦が両島に寄港して、これらの島を防衛するという決意を示すことによって、逆に中国に対する抑止力になるのです。

 中国の目を気にして、米艦がこれらの離島防衛におよび腰になったら最後、中国は米側に守る意志はないと断じ、不穏な動きを見せ、沖縄周辺は一気に不安定化するでしょう。

 領土的野心を募らせている国や勢力に対しては。弱腰な態度を見せてはなりません。常に抑止力を見せ付けておく必要がある。安全保障においては基礎中の基礎の理論です。」({非武装で抑止はできない」P164」


「ありったけの地獄を集めたと形容される沖縄戦を思うと、二度と戦争は起きてほしくはないと思う。実は戦争を起こしたくないのは軍人も同じなのです。自分たちの命が懸かるのですから。

 しかし革新系の人たちのように基地をなくして非武装にすれば戦争が起きないという考え方はありえない。戦争を起こさないためには「抑止力」が必要なのです。十分{抑止力」を持つことによって平和は保てるのです。その上で、沖縄県民の負担を少しでも軽減したいと思う。

 だからこそ、負担の軽減となる米軍再編計画を実行に移すべきなのです。今の再編計画を実行できなかったら、沖縄県民はかわいそうです。

 しかし、沖縄が過去ばかり見て、太平洋戦争の被害者意識ばかりひきずって政治を動かそうとするのはよくない。過去のいきさつから複雑な県民感情はよくわかりますが、沖縄の政治指導者たちがその感情をしようとするのはおかしい。政治はもっと前向きな態度で進む必要があると思います。 」

「在沖縄米軍基地再編計画を実施すれば、沖縄本島の19%を占める米軍基地の面積は12%にまで削減されます。米軍基地再編問題というと、普天間基地移設問題ばかりが論じられ、全体像が見えにくくなっていますが、沖縄に関する特別行動委員会(SACO)の合意と併せ、米軍基地は劇的に減少するのです。
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 例えば最も広い北部訓練場の半分はヘリパットの移設などを条件に返還されますし、キャンプ桑江も全面返還の対象になっています。キャンプ瑞慶覧は部分返還ですが、残余の施設・インフラの可能な限りの統合が進められます。

 牧港の補給基地も全面返還され、那覇軍港も全面返還されます。陸軍貯油施設第一桑江タンクファームも全面的に返還される。

 嘉手納以南の人口密度の高い施設を縮小・返還して必要な米軍の能力は北部の既存の基地に移動する段取りになっています。米軍はこの再編によって、効率的に抑止力を維持できると判断しています。米軍基地が本島の12%の占有率に低下しても、抑止の為の前方展開能力は保持できると結論を出したのです。」「{被害者意識を乗り越えて」P182)

「普天間基地移設合意から15年経過し、事態は進展しないどころか、悪化してしまっている。最近アメリカ政府部内では移設が出来ないのなら、移転そのものをやめてしまえばいいという考えの持ち主が急激に増えている。

 普天間基地移設がまだ可能であると振舞うのは、混乱が長引くだけで、なおたちが悪い。それだったら、思い切って移設を諦め。普天間基地を塩漬けにしてしまったほうがましだ、という意見が目立ってきているのです。」(P184)

 メア氏の懸念は現実化しました。アメリカ議会は沖縄普天間基地の海兵隊をグアム島へ移転する費用負担の予算案を否決してしましましたから。

 では解決策はあるのか?メア氏は以下のように言い切っています。

「外務省と防衛省と官邸が、沖縄県知事に対し、辺野古崎の埋め立て許可の申請を出せばいいのです。この埋め立て申請の提出は私がずっと日本政府に勧めて来たことです。

 日本政府は自分が{悪役」になりたくないから多分、申請を出したくない。事前に知事と調整したいのでしょう。でも政府が申請を出さないことには知事は決断できない。知事が申請をどう受け止めるかによって、辺野古移転が実現可能か分かるのでしょう。

 もし知事が辺野古移転を受け入れなければ、結果として沖縄県民に大変残念な事になります。このような大規模な負担軽減計画が立てられることは今後期待できません。知事の県民に対する責任は非常に重い。知事は政治の駆け引きばかりに明け暮れず、県民の将来と、沖縄周辺の安全保障の環境をよく考えて欲しいものです。もはや建前と本音を使い分けている場合ではありません。決断のときなのです。」

「しかし、政府も民主党も知事も、誰も{悪役」になりたくないのです。今のところ沖縄の基地問題における{悪役」はアメリカが引き受けています。

 普天間基地移設問題の解決まで残された時間はわずかです。{悪役」アメリカもいよいよ痺れを切らそうとしています。しかし私たちにとって本当の脅威は軍拡をつづけ、沖縄を含む「第一列島線」への野心をあらわにする中国であることを忘れてはなりません。」(「辺野古した選択肢はない」P184)

 メア氏の発言にアメリカ政府の言い分が凝縮しえちると思います。この発言からすると{辺野古移設」がベストで、普天間居座りが次善の策になりますね。{県外移設はありえない」とういうことになります。

 同盟国アメリカの意向と沖縄県民の意向はどこまで行っても平行線。この際{悪役」を二歩政府が引き受けるしか情況打開の手立てはありませんね。

 日本通のケビン・メア氏は最後にこう言っています。

「今回の大震災で、東北の罹災地の人たちは日本が凛として威厳に満ちた文化を持っていることを世界に示してくれました。水も食料もない中で、生き残った人たちは我慢強く耐え、略奪も強盗事件もほとんど起きなかった。実に、規律のある国民であることが世界に示されました。

 こんな国民が多く暮らしている国がいつまでも低迷しているわけではない。政治がしっかりと決断し、国民を勇気付けながら明確な目的に向って進めば、必ず日本は新たな成功を収めると思うのです。

 問題は政治のレベルの低さです。責任を取らず、自己保身を図ることが目的化してしまっている今の政治から、一刻も早く脱却しなければなりません。

 The japanese people deserve politics.

日本人は今の政治のあり方に甘んじてはいけないと思います。日本の国民はもっとよい指導力、より良い政治に恵まれるべきです。」){P232)

 日本を良く知り尽くした人物の提言だけに含蓄がありますね。日本の政治のありかたの総点検が必要であると思います。なかなかの力作でした。

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2012.01.08

「戦略的思考とは何か」を読んで

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 「戦略的思考とは何か」(岡崎久彦・著・中公新書・1983年刊)を読みました。随分前に書籍店で購入し、読んでいませんでした。最近何を思わず読みました。なかなか含蓄のある著作でありました。

 著者の岡崎久彦氏は1930年生まれ。長年外務省に勤務。海外駐在の経験も豊富。調査活動もされていたらしい。本を書いた頃は博報堂に勤務されていました。官庁も民間企業も「情報」を大事にする部署であるので、ことさら日本の近代史を検証すると「戦略的思考」が弱いことを指摘されていました。

 1905年の日露戦争で、当時の超大国ロシアに善戦した日本軍。あれほどの戦略・戦術を動員、外交、政治、謀略、などの総力戦を展開して辛勝したのに、その教訓や反省点はその後の歴史に全く活用されることはありませんでした。それはなぜなのか。

岡崎氏はこう記述しています。

「一般的には日本の旧軍の欠点として、アングロサクソン風の情報重視戦略ではなく、プロイセン流の任務遂行型戦略を採用したことが指摘されています。
 つまり勝てそうかどうかの見極めをつけてから戦闘を行なうのではなく、与えられた兵力で与えられた任務をいかに遂行するかを考えるということです。

 中略・・。 太平洋戦争では、彼我の戦闘力、補給能力の差を無視して、幾万の有能な戦士が任務遂行のために無謀な戦闘に従事して白骨と化しています。

 しかしこう見てくると、客観情勢の無視は、「清水の舞台から飛び降りた」太平洋戦争の開始をそれ自体の考え方のなかにすでに存在するのであって、単に明治以来のプロイセンの影響だけでなく、おそらくは島国という恵まれた環境に育った日本民族の、世界にも稀な経験の乏しさ、そこからくる初心さが、外部の情報に対する無関心と大きな意味での戦略的思考の欠如を生んできたといえましょう。」(P26)

 アヘン戦争以来の海外勢力によル侵略の脅威を、日本は日露戦争の総力戦で退け、日英同盟の締結で幕末以来の脅威を完全に取り去りました。それは「たいしたこと」でした。しかしその後の40年がいけませんでした。

 著者は日本陸軍の将校の反省を語らせています。

「日露戦争そのものが、いかなる世界戦略の下で戦われ、その結果が勝ったがどうかも分からない日本が、その後そうするかと考える方法もなかったのが実態だった。

 ・・・・何故に陸軍は情報を軽視するようになったのか。それは戦略を無視したからである。何故に戦略を無視するようになったのか。それは・・・戦略は極秘として記録されない習慣があり、そのために完全な戦略白痴状態になっていたことに気付かなかったためである。」(P88)

「指導者層だけは戦略がよくわかって、それ以外は敵も味方も騙せるというような武田信玄のような時代ならともかく、デモクラッシーの社会では、皆が戦略的な白痴になるか、だれでも戦略を知っているかのどちらかの選択しかないわけですから、後者しかないでしょう。

 現にアメリカでは何もかもあけっぴろげで、アメリカの戦略は、ソ連の人でもアメリカの雑誌を読めばわかるようになっています。だからこそ、アメリカでは軍人レベルでも戦略がわかるようになっているわけです。」(P89)

 坂道を転げるように、何故日本が凋落し、戦略なしにその後の戦争を始め、終わらす戦略もなく、世界中を相手に戦争を仕掛け無残に敗戦を迎えてしまいました。戦略を軽視する思想に戦争指導者が取り付かれていたのが主たる原因なんでしょう。また「戦略」を考慮する国民文化も育たなかったことがより傷を大きくしたのですね。

「甲陽軍艦の言うとおり、十分の勝ちのあとの戦勝に酔ってしまったという常識的な解釈で十分なのでしょうが、日露戦争を国民の反対を押し切って妥協で終了させねばならなかった情勢判断と戦略を、政府中枢のごく少数の人だけが知っていて、一般国民はおろか。政府と軍の幹部の大多数も知らされず「戦略的白痴」の状態をつくってしまったことにも責任がありましょう。」(P101)

 また筆者の考えは左右両派の空論を斬り捨てています。

 「日本はデモクラッシーの下で戦争をしたことがないので、愛国心1つとっても、過去の伝統の中にその源をたぐると帝国主義時代に求めるざるをえなくなります。」(P134)

「いまから考えて見れば、戦後30年間の左翼思想といい、右翼思想といい、パックス・アメリカーナの下では、観念の遊戯だったような気がします。

 つまりいま必要なのは、日本が勅命している潜在的脅威を計算して、それに対して、有事の際日本に来援可能な米軍の力と、現在の日本の自衛隊の力を足してみて、足りない分を早くアメリカと協力して相談づくで何とかするということです。足りないものを買うのに右翼思想もなにもありません。

 そしてこういうまったく現実的な必要に上に立った防衛ならば、必要が薄まれば、またアメリカと相談してテンポを緩めることになることは自然の成り行きです。アメリカは必要だからこそ日本の軍備を希望しているのであって、日本の軍国主義化に対する期待などはカケラもないことはだれが見ても明らかです。

 こうやってあくまでも観念的な理由づけは徹底的に排除して、軍事バランスの現実の上にだけ防衛思想を築くという習慣を確立すること、これが「平和愛好的で、勘定高い」デモクラッシーの防衛思想を日本に根づかせる最も自然な方法でしょう。」(P135)

 この著作は28年前に書かれたものですが、2011年の東日本大震災後の日本人の生き様に対しても警告を出しています。たとえばこういう記述です。

「貯蓄率の高さは世界最高です。それをいままでは、国家が全部、産業の近代化に投資して、現代の最先端国家をつくりあげたのです。

 逆に言えば外国の貯蓄率は低いと言いますが、各家庭が貴金属や宝石に使うお金、備蓄用の倉庫や屋根裏部屋に投資する費用などを考えればあるは総額はそうちがわないかもしれません。

 誕生日に子供に金貨を与えるフランスの家庭と、派手なパーティをする日本の家庭とでは、フランスのほうが堅実でしょう。人間誰でも、少しでも将来のことを考えればチャランポランで暮らせるはずはないのであって、唯一の違いは。政府とか国家とか社会とかに対する信頼感の問題かもしれません。

 日本人はいざという時の備蓄も宝石も、貴金属もなく、地下室にはじゃかいもの買い置きもないという、フランス人やイラン人やドイツ人から見れば身の毛がよだつような危う状況にいて、国家、社会だけを信頼しているわけです。

  中略  いつまでも余剰は全部産業と国土開発に使って、国民経済は、有事に際してはきわめて脆弱なままにしていてよいかという問題は当然起こりましょう。

 現段階では思いつきでしかありませんが、備蓄用の倉庫、地下室をつくろうという企業や個人に政府が長期低利の融資をすることも考えられましょう。

 さらに1歩進んで地方自治体が、地域住民のために公用地とか小学校の地下に貯蔵庫をつくることも考えられます、こうなると封建時代の義倉のシステムと同じになってきます。}(P270)

 筆者は言います。「日本が自分の意思にかかわらず戦争に直面せざるを得ない場合のことを考えておくのは、平和を望む者にとって、むしろ教養の1部といってよい。」と。

 むしろ南海地震への生き残りの防災対策を1住民の立場で考えていくうちにどうしても{戦略的な発想」になっていくのです。当然といえば当然なのです。

 大地震の揺れ、地盤沈下、液状化、大津波、火災、長期浸水など1つでも大変なのにわが二葉町では全部罹災する可能性が高い。生き残るためにも戦略的な発想が必要なんです。

 参考ブログ 二葉町防災新聞

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