高知大学防災すけっと隊の講演会と意見交換会へ参加しました。
2014年7月19日は、朝1番は父(95歳)のリハビリ・ゴルフへの付添いです。昨日から高知県下の学童・生徒は夏休みに。そのせいか、休日なのに道路が混んでいました。おまけに蒸し暑く、父もゆっくりと球を打ちました、そのせいで出発が遅れました。
6月15日にも高知大学朝倉キャンパスへ行きました。映画の上映会があったからと、住民側パネラーとして出演していたからでした。しかし「その後」今風の学生たちの乗りについていけず、正直がっかりしていました。
所詮は「ごっこ」ではないのか。そういう物足りなさと不信感を抱きました。
しかし防災すけっと隊の学生たちは全く違っていました。真剣さ真摯さが伝わって来ました。前回とは「比較が全く」出来ません。
午前10時から講演会は始まっていました。原忠教授の講演は聞けず、大槻知史准教授の途中から聞きました。
「地区の祭りやイベントを防災を兼ねるものにする柔軟な発想が必要です。地域の宴会や焼き肉パーティをLPガスや七輪や防災畳を用意してやれば、即防災後の炊き出し訓練になります。」
「家庭でも10日分ぐらいの食材(レトルトなど保存がきくもの)と水をまとめ買いをして、おく普段の心がけが大事です。高知県は南海地震が起きれば、10日間は支援物資が行き渡らない可能性があるからです。」
「高知県民を100人を全体としますと、25人は65歳以上の高齢者。うち9人が1人暮らしで、5人は要介護・要支援者です。南海地震直後は47人が避難所にいます。21人は1月後もいます。」
「100人のうち53人は女性。12人は14歳以下の学童・幼児。6人は障害者で。3人は食物アレルギーの人もおられます。こうしたことを念頭に防災対策の企画段階から考慮しないといけない。」
「自助で言えば未だに家具固定率は25%です。皆で家具固定をする工夫も必要。75歳以上の高齢者や障害者の場合は、高知市防災政策課が、家具固定用の機材を地域が用意すれば取り付けは支援する制度があるようです。」
「生命をつなぐ防災缶は手軽にできます。だいたいが100円ショップで買うことができ、600円程度で揃います。中味はアルミ製の防寒風呂敷、LEDライト、キャラメル、それを入れる入れ物です。そのなかに家族の保険書のコピーや薬手帳のコピーも同封します。」
「食べ物。治療薬。水。電気(懐中電灯・ラジオ)ほっと(アルミ防寒風呂敷など)とお金と預金通帳の控えが必要です。子供たちは人生の中で100%南海地震に遭遇します。大人たちは生き残る作法を教える義務があります。」
続いて防災助っ人隊隊長である折中新さんが講演されました。
「高知大学防災助っ人隊は2008年に結成されました。主に子供たちへの防災教育を主体で活動してきましたが、最近では地域へ入り地域コミュニティの結成づくりや再生のお手伝いをしています。」
「それは1995年の阪神大震災のデータで、家屋の倒壊などで生き埋めになった人たちの8割が近隣の人達で助けられ、消防や自衛隊に救助された方は3割でした。近隣の人に助けられた人の7割が生存されていますが、自衛隊や消防の人達に助けられた人の生存率は5割でした。いかに地域コミュニティが災害時でも大事であるかの証です。」
「能登半島地震では、地域コミュニティが機能し、1日後に地域の全ての住民の安否確認が出来ました。行政の支援体制の引き込みが早かったので、復旧も迅速でした。高知大学防災助っ人隊も、高知市旭、咥内、朝倉、上本宮などの地域に入り連携をしています。」
午前の部は終了し、昼食は「防災炊き出し体験」により調理された豚汁とご飯でした。熱源は七輪で午前9時半頃から仕込まれていて、豚汁もよく調理されていました。
美味しかったので3杯も食べ、おむすびも3個食べました。災害時これだけのボリュウームの炊き出しが出来れば、言うことはありませんね。
防災畳の上に座りました。自動車の座席を製造しているメーカーの製品。1枚が8000円とか。体育館で寝泊まりした人は快適であったと言われました。
午後2時からは「ワールドカフェ」と称したワークショップ。テーマは自分たちの関わっている地域の良い所、課題を6つに分かれた班ごとに出し合いました。それぞれの地域の特性や課題が出てくるものですね。
「良いリーダーがいることで、より良いコミュニティになることができます。」
「避難所へペットを連れて来ることの是非も話し合いが必要です。」
「100歳体操で体の老化を防いでいるので、パズルをして脳の老化を食い止めることもしましょう。」
「学生さんなど地域外の人の声を取り入れ、地域コミュニティを盛んにすべきである。」
「学生はビジターである。それゆえに地域を客観的に見ることができる。そうした視点での関与は大事である。」
「学生はパソコンやスマートフォンの操作に強い。地域でそうした教室を開くことも良いことです。お互いの長所を生かす活動は大事。」
「行政の上手な活用も大事である。」
「性格の合わない人とうまくやる練習を事前にすべきである。」という意見も出されれ増した。
なかなか今回のワークショップは実践を踏まえているだけに、実りのあるものでした。参考になりました。下知地域でも11月8日9日に下知コミュニティ・センターを活用した全館避難所開設・宿泊訓練を行います。是非高知大学防災すけっと隊の皆様もご参加いただきたいと思いました。
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