高知新聞2023年9月19日の記事には驚きました。
見出しで大体の記事内容がわかります。
「調整区域緩和 開発進む」
「南国市 住宅など200件超」
「南国市独自緩和で人口維持」
「5年で100人増」
「調整区域 追加策も準備」
「災害心配なし」
都市計画法で規定され、「市街化区域」と「市街化調整区域」があります。
【市街化区域】
市街化区域は、街を活性化するための地域です。
人々が住みやすくなるように、インフラの整備などが積極的に行われます。
【市街化調整区域】
市街化調整区域とは、市街化を抑制する地域です。
人が住むための住宅や商業施設などを建築することは原則認められていないエリアです。
高知県は県土の84%が森林です。残りの16%が平野となりますが、多くは農地であり、乱開発を防ぐためや、都市のスプロール化(’分散化リスク・社会コスト増)を防止する意味もあり、高知市や南国市の平地の多くは「市街化調整区域」になっています。
南海地震対策で大問題なのは、高知市の市街地の2800ヘクタールは軟弱地盤の低地(海抜0Mから2以下)の市街地であることです。
この大問題に対する「解決策」は、
①浸水被害のない市街化調整区域の一部を市街化調整区域に用途変更すること。
②高台地区への宅地整備。
③高台地区での整備する際の土砂を活用し、低地の市街地である下知地域を嵩上げする。
④災害後に建築される「災害公営住宅」をあらかじめ低地の市街地の複数建設する。災害弱者を優先入居させ、津波避難ビの収容数を拡大させ、溺死者と災害関連死者を減少させることができる。
誰が考えても「解決策」は決まっている。要は実行できるかできないかです。
但し高知市財政は1300億円の市財政予算に対し、自主財源は120億円程度の「1割自治」。県や国からの財政支援と市債の借金で賄うしかないのが現実。
「国とのパイプがある」ことを強調する政党もありますが、いくらパイプがあッても「防災予算」の大半は「災害後」の投入されます。それも国主導でやりますので、東日本大震災でも住民の要望とのミスマッチ(無駄な公共投資)が行われました。
巨大な津波対策堤防が完成はしましたが、背後地には誰も住んでいません。「早く同意書にハンコを押してくれ」とか、少数意見を排除し、合意形成を図らず、強引に高台整備事業を強行したものの、完成後住んでいるのは、同意した住民の10分の1という事例がとても多い。
国を説得して「事前復興まちづくり計画」の予算を獲得し、いち早く実現することが、県知事、市長、県議会、市議会の責務であり。県選出国会議員の役割りでしょう。
しかし地域にへばりついて減災活動を私は15年間やり続けていますが、「事前復興まちづくり計画」に予算が付いた話は聞いたことがありません。
いち早く住民合意を得て、地権者の理解を得ている徳島県美波町の事前高台移転計画に予算がついていません。国はやるべきこと「国民の命と財産を守ること」をしていただきたい。と切に思います。
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