自然災害と経営責任

2024.04.19

人殺しの国際貢献より、人助けの国際貢献を

9条
 政府与党は、次期戦闘機の開発と販売を英国とイタリアと共同開発し、他国へ販売するとか。戦闘機は「人殺しの強力な兵器」です。それを他国と共同開発し、販売までするとか。いつから日本国は「死の商人」になったのか。日本は家電をはじめ、情報産業でも負け続きで衰退しています。「人殺し兵器の開発と販売」で金もうけをしようと大手企業と政界が結託したことでしょう。


 国民経済は「個人消費が伸長」してなりたちます。30年前から円高対応を間違い、主要なモノづくりを中国や韓国に移転させることで経済はガタガタになりました。太陽光発電や地熱発電などでかつて日本は仙頭を走っていましたが、原子力産業【日立・三菱・東芝)と政界と(自民党)との過度な癒着で原子力に金をつぎ込み、地震災害大国日本で原子力発電を稼働させるという狂気の沙汰を続けています。
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 狭い日本で原発がメルトダウンしたら国民は逃げ場がありません。地震大国日本では原発は全く必要ありません。ドイツは東日本大震災以降廃炉にしたのに、日本は再稼働させています。異常です。

 また岸田首相は先日アメリカ訪問しましたが「アメリカの同盟国として日本は確固としたパートナーになります。」と宣言しアメリカ議会で喝さいを浴びたとか。アメリカ軍に隷属する「日米地位協定」を改定することなく米軍に協力するということは、自衛隊は米軍の先兵(家来)になり突撃させられるということです。岸田首相の「勇ましい発言」は「戦争をしない国」日本で敗戦後79年間貫いてきた平和主義を捨て去る発言ではないのか。大事な国是を閣議決定や与党協議だけで国会での議論なしに決めていいのだろうか?おかしいと思う。
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 「79年間自衛隊は1人の外国人兵士を殺さず、1人の自衛官も戦死しませんでした。」恥ずべきことではなく、世界に誇るべきことです。自衛隊は「災害大国日本」で真っ先に災害支援活動を行い、多くの国民の命を救い、被災地支援を国内外で行ってきました。「命を救う」自衛隊が「人殺しの国際貢献」をしなければいけない理由はありません。
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 6年前に生前退位した明仁上皇夫妻は常に国民に寄り添い、災害が起きるたびに被災地の国民に寄り添い励ましました。また国内外の戦没者の慰霊に訪問し、沖縄には皇太子時代を含め10回も慰霊にいかれました。平和を慈しむ象徴天皇として常に国民に寄り添う姿は忘れることが出来ません。その姿勢は現在の天皇皇后両陛下にも継承されています。
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 被爆地広島出身の岸田首相は米国大統領や米国議会で「核なき世界」を語ることもなく、アメリカの先槍として日本の近隣国の軍事大国の中国とロシアと北朝鮮に対峙すると宣言したようです。アメリカ本土から1万キロも離れた場所に日本はありますからアメリカは日本の支援には来ないと思います。高みの見物するでしょう。見殺しですね。

 岸田首相はアメリカの中古兵器を買いあさり、防衛費を増大させて、中国に対抗させると息巻いてうます。しかし中国は日本経済の4倍の経済力があり、今年の国防予算は34兆円です。日本の7倍です。対抗できるはずはない。難しい隣人ですがお互い仲良くしないといけない。卑屈になることではなく、先人を見習い独立は維持し毅然とした国づくりをしないといけない。
 
 日本がすべきことは「人殺しの国際貢献」ではなく、今まで以上に「人助けの国際貢献」をすべきです。そのためには国は、自治体任せ成投げしていた災害対策に本腰を入れ危機管理省を設置し、国内外の被災地支援を官民協力で行う体制づくりを今すぐ構築すべきです。

 人殺しの国際貢献なんぞより、人助けの国際貢献が遥かに世界平和に貢献できます。

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2023.07.30

事業継続力強化計画について

高知市津波ハザードMAP_NEW
 南海トラフ地震は「30年以内に80%に確立で起こる」と言われだしてから、すでに10年が経過しました。「20年以内か15年以内』に起きます。
(岡村眞先生との雑談)

 南海地震が起こる確率は、火災や水害。交通事故よりはるかに高い!!
 30年以内に交通事故で負傷する確率24%、火災での被災は1.9%、大雨での被災は0.50%、火災での死傷は0.20%です。

 日本国内で1年間に交通事故に遭う確率、交通事故を起こす確率は、2020年のデータによると、交通事故に遭う確率は約0.2%、交通事故を起こす確率は約0.4%です。 年間309,178件もの交通事故が発生していて、約500人に1人が交通事故の被害者となり、約250人に1人が交通事故の加害者となっています。(30年ですと会う確率は6%、起こす確率は12%です。)

 地震調査研究本部事務局のデータによると、関東東海地方や太平洋側の地域で30年以内に震度6弱以上の地震被害に見舞われる確率は、26%以上となっています。一方、ほかの地域での地震に見舞われる確率は、わずか数%です。(高知が70%と言われていた頃熊本は8%でした。)


 何の根拠のない「正常性バイアス」になるのか。

 企業の多くは未だに何故起きる確率が大きな南海地震対策をしないのか。嫌な事、面倒なことはしたくない。考えたくはない。人間の性質。正常バイアスの弊害でしょうか。それでは「災害時」判断を誤り、生き延びる可能性は低くなります。


 地域の自主防災会や町内会にも入会され、地域の避難訓練にご参加下さい。

 8年前(2015年)に訪問した宮城県石巻市の町内会長の言葉が忘れられません。
「毎年の町内の避難訓練、町内会のお祭りに参加している人は100%助かりました。訓練に1度も参加しない人。、町内会に入っていない人の8割が亡くなりました。

 現地は震度6・5弱の地震があり、停電になり、地震後1時間後に数メートルの津波が襲来。「揺れたら高台へ逃げる」教訓を実行した人は助かり、家の片づけをして「後から行くよ」と言った人は全員が亡くなりました。

 高知県の南海地震対策(浦戸湾3重防御対策)はL1想定(昭和南海地震規模)です。

 L2想定(東日本大震災規模の巨大地震)の場合、高知市の震度は7。2Mの地盤沈下。3Mの津波。高知市内は長期浸水(2800ヘクタール。13万人が居住。32万高知市民の4割は水没地域にいることになります。
 震災後の県内で必要な住宅用地は7・7万戸のうち3・1万戸(40%)しか確保していない。1世帯2人として9・2万人に被災者は高知県内で避難生活が出来ません。その分人口(働く世代の)が減少します。

 高知県や高知市は従来から今なお、製造系の企業の高台移転地造成や支援しています。高知市の産業の70%を占める商業系・流通系の支援は皆無。

 被災県民全員が、避難所や仮設住宅住まいが高知県内で出来なければ(現状は被災者の60%が県外での避難暮らしが強いられる)。それでは事前復興まちづくり計画は出来ません。絵空事です。
 2016年に長島忠美さん(復興副大臣。旧山古志村村長)のお話で、10年かかりうと言われた全村帰村が、3年2か月で出来たのは、避難所生活も仮設住宅生活もコミュニュティごとにまとまり、住民と役場が膝附合わせ意見交換し相互に信頼関係を醸成したからです。

 防災対策は事前対策がすべて。対策をしなければ生命は失われ、企業は倒産。

不意打ちをくらって再生できる地域(神戸市、山古志村、東日本大震災の被災地、熊本地震尾被災地はある意味「幸運」。

 低地の軟弱地盤の被災地高知市(2800ヘクタール・13万人の居住地に住宅と事業所がある場合、生存は困難だし、事業再生はほぼ不可能。

自己破産するしかないのが現実。

企業の南海トラフ対策について


 流通系企業、商業系企業への南海地震対策への県や市の行政支援は皆無。

 
経済力のある企業は既に浸水予定地域から高台地区へ自力移転。(勝ち組企業)

 高知新聞印刷工場(下知丸池町)→南国市の高台
 旭食品本社→(南はりまや町)→南国IC横の高台へ移転
 サニーマート本社・物流拠点(下知御座→南国市の高台と山手地区へ移転)
 中沢氏家薬品(大津)→南国市の高台へ移転 
 四国ガス高知支店(潮江)→高知鴨部地区へ移転
 丸三(高知市南久保・卸団地)→南国市オフィスパークに移転)
 第1化成(高知市弘化台)→南国市の高台左京山に移転)

 
 経済力のない企業は現状では災害前の自力移転はほぼ不可能(負け組企業)

 理由 2012年当時(東日本大震災の翌年)に内閣府の中央防災会議が、高知県下全域の津波浸水地域を公表。地価が大幅下落。担保価値の低下。

 「購入価格の半値の8掛けでないと売れない」(横山敬氏)と言われている。

 最近は地震。津波災害の記憶が薄れたのか、低地の市街地にも新築住宅が建設され、交通の便がいいので地価の上昇がみられる。


 ある零細企業の事前南海地震対策


(個人レベルの対策)

 浸水地区の海抜0M地区。社屋と自宅兼用住宅は鉄骨3階建て(1部4階)。傾いていなければ自宅避難。飲料水と非常食は2週間分は備蓄済み。

 スマホとパソコン充電器は購入。救命胴衣。ロープ、ヘルメット避難袋。
 自動車は車両保険の加入。
 家族・従業員の一時避難場所は下知コミュニュティ・センター
 熱源は都市ガスからLPガスに変更。
→近い将来にLPガス発電機を購入予定(900W仕様。インバーター)
 災害用伝言ダイヤルの練習(毎月1日と15日)
 個人のデータのバックアップ(外付けHDDに保存)
 事業継続力強化計画策定支援 中小企業基盤整備機構

(ある零細企業の実践)


死にたくなかったら、廃業したくなければとりくみましょう。
高台地区の人達は「勝ち組」。低地の浸水地区は「負け組」です。

 災害はしかたがない。いかに減災(被害の減少)をするか。

 主要取引先と協議し、従来弊社倉庫の在庫し配送して言う他製品を、メーカー直送切り替え、リスク低減化を実現。

 スマホ対応型ホームページを作成し、ネット環境さえあれば会社が存続できる体制を構築。(大災害時に経営者の生存を主要得意先に連絡すれば取引毛継続の確認)

(今後の課題)

 会社業務のバックアップ体制の構築。本社浸水後のWEB環境の継続、通販業務の拡大と継続化。業務提携と取引の継続化。

 自宅の住めない場合の住居の確保。

  事業継続力強化計画策定支援 中小企業基盤整備機構の実践

個別型と集団型があり、弊社はとりあえず個別型で取り組む。承認されました。

「グループ補助金は財源枯渇の可能性あり?」

 東日本大震災や西日本豪雨災害時に、国の企業緊急支援策として「グループ補助金」がありました。中小企業庁が窓口であり、複数の企業がまとまり九yにに申請し、認められますと必要資金の4分の3が支給され、4分の医1が無理し無担保で銀行融資が受けられる制度です。
 防衛予算の膨張などで「なくなる」可能性もあるやにきいています。

 事業継続力強化計画
事業継続力強化計画チラシ1
中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm

 中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が「事業継続力強化計画」として認定する制度です。認定を受けた中小企業は、税制措置や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます

 中小企業の事業継続力の強化においては、中小企業を取り巻く関係者との連携が重要です。特に、事業継続力の強化に不可欠なリスクファイナンス対策強化の普及については、損害保険会社等との連携が必要です。
「中小企業・小規模事業者の災害対応力を高める」という、中小企業庁の政策趣旨にご賛同いただいた保険会社及び、全日本火災共済協同組合連合会の新たな取組について、紹介します。

「事業継続力強化計画」を一緒にやりませんかと提案をしました。
 9月7日に下知コミュニュティセンターで18時半から。説明会を開催します。
事業継続力強化計画チラシ2

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2023.02.23

県庁事前復興室は期待できるのか?

高知県庁事前復興支援室記事_NEW
 高知新聞2023年2月17日に注目すべき記事が掲載されていました。「事前復興支援を強化」「堤防効果盛り込み浸水想定」と記事の見出しにあります。

 

 しかし今までの高知県庁の危機管理部の行動履歴から大きな期待は持てないのではないかと私は思います。

 

 隣県の徳島県では県知事が音頭を取り、徳島県内の全市町村が、災害時相互支援協定を締結しています。例えば海岸部の鳴門市と山間部の三好市が締結しています。全市町村がお互いに締結しています。

 

 

 一方の高知県。10年ぐらい前から期待していましたが、県外の鳥取県や島根県と締結した話は聞きましたが、高知県内の市町村同士の避難協定は進んでいません。津野町と須崎市。幡多地区の市町村とか聞きましたが、進展しているようにありません。

 

 

 第一に高知県庁がしなければいけない重要課題は、L2想定(東日本大震災規模)の大地震が起きると、高知県では7・7万戸の住宅用地が日強い雨ですが、こと今に至っても30%の2・3万戸しかみなし仮設を含めてもかくほできていません。大問題ではないですか。5・4万戸1世帯2人として約11万人の高知県民は南海トラフ地震で被災しても高知県内で避難生活が出来ません。

 

 地域コミュティごとに寄り添い避難生活をしなければ、その後の復興復旧は極めて難しい。11万人が県外で避難生活すれば、生活の基盤が県外になり、高知県に戻れません。

 

 記事では復旧復興が8年から10年ですが、11万人の被災県民は8年後は高知県に戻ることはまずありえません。そのことを考えているのでしょうか?

 

 また昨年度に3回程度県庁は有識者を呼ばれて「事前復興計画」なるものを議論したそうですが、そもそも議論の仕組みを市町村が検討するためにこしらえただけけであり、徳島県庁の事前復興検討委員会は住民各位が最初から参加されています。

 

 

http://futaba-bousai.cocolog-nifty.com/blog/2021/04/post-940b0d.html

 

 日本国は「防衛予算:は何故か事前に45兆円も準備するとか。南海トラフ地震が起きれば200兆円の被害が出ると言われています。事前にもっと予算を災害対策に回すべきではないかと思いますね。

 

 「机上の空論」にならないことを祈りたい。

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2022.06.25

損保会社によるリスクマネジメント講座

 AIGという損保会社と契約しています。日本は「災害大国」いつ何時に災害に遭遇するのかわかりません。まして私が住んでいる高知市下知地区の二葉町は、町内全域が海抜0Mであり、海に隣接した軟弱地盤の上にあります。

 自然災害(地震・浸水)に対する危険性は他の地域より格段に高いです。それを承知で居住し、仕事しています。

 災害リスクの高い地域に居住し、勤務し、企業活動する零細企業経営者としての心構えをご指導いただきました。以下そのメールマガジンの記事を掲載します。

【弁護士解説】自然災害における企業の安全配慮義務

1・自然災害における安全配慮義務

 企業(使用者)は、労働者に対し、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務(安全配慮義務)を負っています。

 時々、「安全配慮義務を負うとしても、地震や津波など、使用者に帰責性のない自然災害については、使用者の安全配慮義務は問題とならないのではないですか?」と質問を受けることがありますが、自然災害だからといって、使用者の労働者に対する安全配慮義務が免除されるわけではありません。

 使用者に求められる安全配慮義務は、地震などの自然災害発生時においても課されます。実際、東日本大震災の後には、被災した労働者やその遺族から、使用者に対し安全配慮義務違反を理由とする訴訟が複数提起されています。

 自然災害の発生により労働者が被災した場合、使用者は安全配慮義務違反を問われ、損害賠償責任を負う可能性があることに加え、報道等をきっかけとして、社会的な責任を追及され、企業としての信用を失う可能性もあります。

 今回のコラムでは、自然災害における企業の安全配慮義務をテーマに、裁判例の基本的な考え方について、概要を解説いたします。

2・七十七銀行女川支店津波被災事件判決

 はじめに、東日本大震災に関する七十七銀行女川支店津波被災事件(仙台地裁平成26年2月25日判決・判例時報2217号74頁)を例に、自然災害における企業の安全配慮義務に関する裁判例の基本的な考え方について、みていくことにしましょう。

この事案は、地震発生後、支店長の指示で同支店の行員らが鉄筋コンクリート造陸屋根3階建ての屋上に避難したものの、支店長は自治体によって指定されていた指定避難場所(高台)への避難を指示せず、屋上に避難した行員らが津波に流され、1名を除き死亡もしくは行方不明となってしまった事案です。

 仙台地方裁判所は、予見可能性がなかったことを理由として、具体的な安全配慮義務違反の事実は認めず、使用者の損害賠償責任自体は否定しましたが、自然災害発生時においても使用者の安全配慮義務が存在することについては明確に認めました。

 同判決では、「被告は、行員…に対しては労働契約に伴い、労働者がその生命、身体などの安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をすべき義務があったといえる。また、被告は、同様に、…労働者派遣契約を締結して被告女川支店に派遣されていた亡Yに対しても業務上の指揮命令権を行使してその労務を管理していたのであるから、信義則上、不法行為上の安全配慮義務を負っていたというべきである。

 本件に即して言えば、被告は、本件被災行員ら…が使用者または上司の指示に従って遂行する業務を管理するにあたっては、その生命及び健康等が地震や津波といった自然災害の危険からも保護されるよう配慮すべき義務を負っていたというべきである」と判示しました。

このように、裁判例においては、自然災害発生時においても、企業の安全配慮義務を認めるとともに、その対象は、正社員やアルバイトなど自社で直接契約をしている労働者だけでなく、派遣労働者に対しても安全配慮義務を負うことがあるとしていることを、まずは認識することが大切です。

3.ハザードマップ等を踏まえた対策の必要性

 使用者に求められる安全配慮義務は、労働契約法5条等において明文化されていますが、法令により講ずべき措置の内容が具体的に決められているわけではなく、個々の事案に応じて、個別具体的に判断されることになります。

 このため、使用者は、業種や労働契約の内容、就業場所、就労内容等を考慮して、自身が負う安全配慮義務の内容を具体的に検討し、かつ、それを実行することが求められます。

一般に、地震などの自然災害においては、安全教育を行った管理責任者の設置(任命)、避難訓練等の実施、災害対応マニュアルの作成、情報収集、安全な場所へ労働者を誘導する(避難させる)等が、安全配慮義務の内容として指摘されており、情報収集や避難誘導といった自然災害発生時の対応だけではなく、安全教育や防災計画、避難訓練の実施など、平時(事前)の対応についても、安全配慮義務の内容とされていることに留意する必要があります。

 特に、就業場所の所在地や、その周辺の地理的環境によって、他の地域よりも災害発生のおそれが高い場合や、自治体が公表をしているハザードマップや防災計画等において、他の地域よりも大きな被害が生ずる可能性が高いと予測されている場合には、これらの事実も想定した対策が求められることに注意する必要があります。

4.備えあれば憂いなし

 自然災害の発生により労働者が被災した場合、労働者の生命や身体の安全が害されるという重大な結果を生じることが多く、人身損害として賠償金も高額になることがあります。

 加えて、自然災害の場合、複数の労働者が被災することも多く、1つの自然災害をきっかけとして、使用者としては自社では対応しきれない多額の損害賠償義務を負担する可能性もあります。

 このため、使用者としては、前述した就業場所の地理的環境や自治体が公表しているハザードマップ等を踏まえ、就業場所ごとに自然災害のリスクを具体的に検討したうえで、安全教育や避難訓練など平時から労働者の安全を確保するための施策を講じるとともに、事業の継続性を確保する観点からは、万が一の場合に備え、保険への加入など、想定されるリスクを前提に適切にマネジメントをしておくことが求められます。

(このコラムの内容は、令和4年4月現在の法令等を前提にしております。)

(執筆)五常総合法律事務所 弁護士 持田 大輔

 AIG損保のメールマガジンより。

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