「日本の進む道」を読んで
下知図書館で借りて読みました。久し振りに図書館で書籍を借りて「完読」しました。最近は本を読んでいない(月に2回ビックコミック・オリジナルを購入して読むだけの生活ので、何年振りかですね。
父(2018年5月に99歳で逝去)が、生存していて、週に1度、旭のクレッセントというゴルフ練習場に連れて行き、父が125発の球を休み休みながら打つ場合は、待っている間に本が読めました。母が残されましたが、介護度が進み、在宅介護もシビアになっtげいたので、本を読んだことはありません。2022年12月に母が97歳で亡くなった後は、逆に忙しくなり、昨年は眼の手術、入院、養生があり、1年間本は読めませんでしたから。
前置きが長く成りましたが「日本の進む道 成長とはなんだのか」(養老孟t司・藻谷浩介・対談集・毎日新聞出版)を読みました。
完読はしたものの、仕事も珍しく忙しく、読書ノートなど取っていません。細切れな時間に読み切りました。
昆虫採集学者の養老猛司さんは88歳。藻谷浩介さんは、元はマクロ経済優先者でしたが、自費で日本全国の都市や集落を巡回し、まち歩きをして、国政のゆがみ、経済政策の間違いを鋭くしてきしています。
共通点は2人とも学部こそ違いますが東京大学を卒業されているところだけ。異色の対談ですね。養老さんは88歳で、8歳の時に敗戦があり、敗戦直後の日本社会を体験なさっています。
まさに「異色な対談」。まったりした」会話で面白い。
藻谷「どこかが攻めてくるより、大地震が攻めてくる方が遥かに高い。というか前者は飛鳥時代以降は元寇だけで、後者はそれこそ数知れず起きています。」
養老「そう。大地震が来れば日本は金で買われますよ。その時ミサイルを何発持っていても意味がないでしょう。」
藻谷「海外の金で日本は買い叩かれる。それを防ぐためにどうすればいいのかをかんがえなければいけないはずですが、目先のブームで防衛を言っていると票が集まると思うのか。そのことに夢中になっていますね。
東日本震災の後にしばらく皆が口にしていた「事前防災」を少しでも進めておかなくては。正確には過疎地では目に見えていろいろやっていますが、東京では意識自体が消えかかっている。」
養老「岸田総理が防衛費の倍増を打ち出した次の日に、富士の裾野の自衛隊の東富士演習場は、ドカン、ドカンとうるさかった。祝砲を撃っていったんじゃないか。
それにしても誰に向かって大砲を撃つつもりなんでしょうか。日本は前回の戦争でも本土で戦ったのは沖縄だけです。大砲を撃っている人たちは、どこへ向けて誰に撃つのかわかっているのか。戦車で撃つような事態に名xgつたときは、もう戦争は終わっているのです。」
藻谷「軍事費については、アメリカから旧来型の使えない武器を買わされて、やったふりだけするということになる気はします。」
雑談ですが、「本質」をついた対談ですね。
ほかには「大切なのは災後」とも養老さんは言われています。
「本当の問題は災害対策ではなく、その後の復興だと思っています。どういう復興をするのか、どういう社会をつくるのか。どういうシステムを作るかを議論はしておいたほうがいい。その場しのぎでやると」間違えやすいからです。」
私の関心事に近い事ことを言われています。感心しました。私がやろうとしている「2拠点生活」を真剣に考えたいものです。
また「100兆円も国の予算を組んでいるのに何故個人消費が伸びないのか」についても議論していますね。
アメリカではフロリダにリタイヤしている高齢者は生きているうちにどんどんお金を使います。それで地域経済は潤います。日本は高齢者が「老後に備えて」お金を使わず貯金するから、経済が回りませんね。
投資がどうのではなく、「楽しくお金を使う仕組み」が上手く日本社会はできていないのでしょう。」
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