意味深い「中道」という言葉

日本経済新聞2026年2月15日(日)の1面コラム春秋。多分ベテラン記者の編集局や論説委員の人が書かれたと思われるコラムです。
書き出しからして意味深である。「中道は仏教に由来する言葉と言われるが中心概念と言ってもいいくらいだ。「縁起」(因果や関係)や「無常」、「空」といった人間存在の、実は空虚な根底のところを見つめ、現実認識に立脚して、ないものねだりなどの苦を制御、正道を実践する考え方だ。」と格調高い。
(中略)
「つまり中道とは、単に極端に偏らないバランス感覚のようなものにとどまらず、事実を事実として直視できる目を持って、主体的に道を選び取る生き方のこと。政治にあてはめればリアリズムに基づいて最善の道を考える姿勢ということになろうか。」
「こういう姿勢があったのかなかったのか。うまく伝わらなかっただけか。」
そして筆者は以下のように肯定的な評価をされています。
「いずれにしても立て直しに着手した中道改革連合がリアリズムを指向するなら歓迎したい。自民党も大勝で目が曇る政党でもあるまいが、けん制役がしっかりした国のほうが健全だ。」
自民党との連立与党政党のの維新は「アクセル役こそ自分たちにお役目」と言い、急いでろくに吟味もせず突っ走ろうとしていますから、ブレーキ役は国政には絶対に必要です。
そしてこう結論します。
「安全保障も社会保障もいよいよ難しい現実の的確な評価や直視が要る。にわかに掲げた中道の旗は案外、核心に触れている面がある。」
昨年10月に公明党の代表である斎藤哲夫氏が突然「自民党との連立から離脱」を宣言しました。高市自民党総理は、1月の通常国会の冒頭に解散を宣言。超短期間の年度末選挙となりました。
そして立憲民主党の党首の野田氏と合流し、新党の「中道改革連合」を立ち上げました。結果は自民党の大勝利、中道改革連合は悲劇的な大敗北となりました。
なるほど「中道」は奥深い言葉ですが、現在の有権者である多くの日本国民の有権者にその思いは届かず、大敗北という冷徹な結果となりました。
ただコラムに記述しているように「けん制役がしっかりした国のほうが健全」だという指摘は間違いない。異論を排除する独裁国家であるロシアや中国、ミャンマーなどの国が健全であるとは到底言い難い。
二次大戦終結から80年が過ぎ、東西陣営の対立から、冷戦が1990年頃終結し、「社会主義国」がロシアや東欧などで崩壊し、アメリカ1強時代が続きました。それから4半世紀過ぎて、アメリカは「世界の警察官」はやめると言い出し、ドンロー主義なる「力による平和」をアメリカが言い出し、国際連合中心の国際秩序は揺らいでいます。西欧諸国とアメリカの対立という事態にもなりました。
日本の立ち位置も難しい。高市内閣の「アメリカ従属1本足外交」では、ほどなく立ち行かない。「中道」の出番が来るのかどうかはかりませんが、あながち」「的外れな考え方」ではないと見直しました。


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