書籍・雑誌

2018.05.27

書くことが「自由」な発想を獲得するための手段だ

 父が愛読していた「週刊現代」。父が亡くなった後も、私が購読しています。理由は談合記者クラブに所属していない「野良犬メディア」であること。発行者が講談社であるので、初老の人向けの「少年マガジン」であると思います。

 週刊現代6月2日号の佐藤優氏のコラム「名著。再び」P116の文面には感心しました。表題は「書くことの鍛錬こそが複雑な現代社会で 自由になるための方法だ」です。
書評であり「小論文書き方と考え方」(大堀精一・著・講談社2018年刊)を評論しています。いくつか引用してみます。

「この本が優れているのは、小論文の対象を拡散させずに、大学入試1本に絞り込んだことだ。大学入試の小論文では、高度な専門知識は必要とされないが、高校の教科書レベルの知識を総合し、表現する能力が問われているからだ。

 これはビジネスパーソンで必要とされる能力とかさなるところが大きい。」(P116)

「皆さんはそれぞれに心の中で思っていることがありますよね。でもそれを人の前で抵抗感なく言える人はいますか。尋ねられて目をおよかせたり、うつむき加減になったり、生真面目な表情になったりする生徒たち。でもそれは自然な反応なのだ。

 思っていることを抵抗なく言えると胸を張れる人などほとんどいない。自分が思うことと、それを口に出すことはイコールでもないし、連続もしていないのだ。

  (中略)
 
 もちろん、それを人にうまく伝えられたほうがいいけれど、感動が深い程、表すのは難しいというのはよくあることだ。「筆舌に尽くしがたい」という言葉もある。」(P117)

 書くことの意味合いを明確に以下のように定義しています。

「思ったことをうまく口に出せないという「感じ」が本書の始まりだった。その違和感から出発して「書く」ことは論理的思考を呼び寄せ、その思考こそが「書く」にふさわしい言葉、普遍性のある言葉を探し当てる。

 その先で私たちが出合うのは自分の世界がひとまわり広くて多様なものになっていく感じだ。その「感じ」の事を、私たちは「自由」と言う言葉で呼ぶ。

 違和感から出発して「書く」ことの先で私たちが出あうのは。この「自由」なのである。」(P117)

 私などは、毎日「だらだら」と雑文を書いては、FBやブログに「投稿」しています。社会の出来事や、日々流されている毎日の生活記録や、地域活動の記録を書いているの過ぎません。今日の出来事を今日書いておかないと、明日はまた別の出来事があるので、忘れてしまうので。ひたすら書いています。私には佐藤氏が記述いるような、「書くことで思索する」などの高尚なことはありません。記録の意味合いが強いです。最大の読者は自分であり、あの時こんな出来事があったんだと、振り返りの時役立つ程度です。

 IT時代、情報化社会である現代社会では「書く」ことがとても大事であると言います。

「言語の指示機能とは、生活の上で他人との交通の必要性がうまれたために使われる機能を指している。グローバル化とIT化が進み、生産過程が高度に複雑化していく現代社会において、そこで使われている言葉は「機能化と能率化の度合いを益々深めていく」。

 その一方で語彙は多様化しながら、それぞれに「単一の明晰さを求められる。」私たちの使う言葉は曖昧さが許されず、同調圧力は高まって、「じぶんがこころの奥底にもっている思いは、とうてい言葉であらわせないという感じはつよくなっていく。」のである。」

「現代は、たくさんの言葉が行き交っているように見えながら、じつは「みんなもそう言っている」と思える範囲の事しか語りえないような、息苦しさにとらわれた時代なのだ。」

「同調圧力の強い時代に内心の自由を確保するためには書く作業が不可欠なのである。小論文いこだわる必要はない。大学ノートや手帳、あるいはスマートフォンやタブレットのメモ機能を用いて書く作業を日常的に行うことで、われわれの知力は強化される。」

「同時に必要なのは㎡各作業に素直さが要求されることだ。大堀氏は、書く過程での倫理的思考は、現実への単なる拒絶や立場の異なる者への攻撃、糾弾を意味していない。

 論理と言う言葉の硬く冷たいイメージと裏腹に、論理的思考がやわらかい言葉を研ぎだすことが、むしろ重要なのだ。と強調する。」(P117)

あらかじめ相手を罵倒し、こきおろすだけのための文章などがあります。そんな文章をいくら読んだところで知力は高まらないと筆者はいいます。「ポジショントーク」ということらしいですが、いくら読んでも知力は高まらないそうですので。

 さて私は毎日いくばくかの文章を仕事でも個人でも書いています。さて「知力:」は少し向上したのであろうか?自信はないですね。

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2018.04.26

週刊新潮記事の社会的貢献度

 官邸機密費で買収饗応されているとおぼしき「談合記者クラブ」には属しない「野良犬メディア」の1つである週刊新潮。2018年4月26日号は何かと話題になっていましたので、コンビニで購入しました。
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 巻頭の白黒グラビアは「最強官庁トップの 嘘がバレルる日」とあります。全く「ろくでもないセクハラ行為」。エリート官僚らしいがおぞましく、恥ずかしい。

 話題の記事は20Pから27Pの見開き特集。「嘘つきは財務官僚の始まり」「セクハラをしらばっくれた「福田次官」の寝言は寝て言え!」という強烈な見出。
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「女性記者」を「キャバ嬢」にする替えた改ざんを暴く」

「女性輝けない「麻生財務相」が「嫌なら男の記者に変えればいい」とか言い見出しなんぞは、電車の中吊り広告や駅の売店用のコピーに使用されているんではないでしょうか?
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 週刊新潮の記事の中で特に注目したのは、P24にある「なぜ自社で報道できないのかの疑問に答える」ですね。

 ある大手新聞社の社会部の女性記者は情報源の男性から執拗なセクハラを常にうけていたので会社の相談したそうです。
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「幹部に呼び出されて、ひとりの人間を潰す気かと叱責されました。情報源の勤務先に漏れて迷惑がかかったらどうするんだ」と言われたそうです。

 セクハラは「人権問題」です。取材活動でのセクハラが耐えられないと正論を言っているのに社員を守る対応をしない大手新聞社の人権感覚はどうなっているんでしょうか?日本は「先進国」と言えるのでしょうか?
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 結局諸悪の根源は「談合記者クラブ」でしょう。官公庁記者クラブからの追放が怖くてマスコミ各社は正論が言えないと言うことのようです。これでは新聞やテレビは「社会の歪みを正す」役割を自ら放棄した腰抜けしか言えないですね。最低ですね。

 官公庁や首相官邸の「意向通り」の記事しか書けないし、報道できない。報道の自由を自ら放棄している記者クラブの大手メディア。

 週刊新潮などの「野良犬メディア」は逞しくあっていただきたい。社会的な役目はとても大きいと思いますね。

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2018.03.03

個人消費増大は羽生結弦のおかげ?

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 高知市で今日発売の週刊現代3月10日号の記事「さあ、大変!妻が羽生くんの追っかけになりました」(P150~153)には仰天しました。

 「観戦ツアーは4日で90万円」「プーさんぬいぐるみ5000円、応援行脚で年間3000万円。いくら遣えば気が済むのか」「なかなか注意できない」「今度は娘までハマりだした」という見出しは、奥さんが羽生選手の熱烈なファンになり、TV観戦に飽き足らず「追っかけ」になり行動するさまを嘆いているご主人の声です。

 平昌五輪の男子フィギア・スケートの羽生結弦選手の演技終了後にリンクに投げ込まれた熊のプーさん人間は1つが5000円もするとは驚きでした。記事に寄りますとプーさんのぬいぐるみはディズニーの公式ストアで5000円前後で売られているとか。
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 投げ込まれたぬいぐるみの数は何百とありましたから。其れだけでも凄い。ファンと思われる人のツイーターにはこう書かれています。

「羽生くんは毎回リンクに投げ込まれる大量のプーさん達を全国のスケートクラブの子供達や児童養護施設の子供達にプレゼントしてると知りまたもや泣いております(´???ρ???`)羽生くんは人間ではなく天使なのですね(´???ρ???`)(震)今まで人間だと思っていましたごめんなさい(´???ρ???`)
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 以前韓流スターのぺ・ヨンジュンのファンであると言う女性の自宅に行ったことがありました。家じゅう、部屋中がグッズで溢れかえっていました。国内や韓国でのイベントにも可能な限り参加し、グッズを購入するとか。壁は写真だらけで食器も座布団まで顔顔顔。目が回りそうでした。

 羽生選手はまだ若い(23歳)だし、怪我で引退でもしない限りブームは後4年(2022年北京冬季五輪)までは続きますね。

 記事はこう結ばれています。

「かくして「ゆずリスト妻」たちは日に日に増えていく。家庭も家計も溶かしてしまう羽生結弦は、やはりスゴすぎる。」(P153)

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2018.02.23

現代日本社会の病理・自称「意識髙い系」の人々

 週刊現代の先週号(2月10日号)の佐藤優氏のコラム「名著。再び」の書評は、うなずくことが多い文章でした。佐藤優氏が論じた著作は「意識髙い系」の研究」(古谷経衡・著・文春新書・2017年刊)でした。

「努力する覚悟も能力もない それでも承認はされたい!「現代病」の実態」と今回の佐藤優氏のコラムの題名です。冒頭から引用します。

「大学生や20~30代の青年で、承認要求が肥大化しているが、実力が伴わない人がときどきいる。こういう人に勉強法を指南しても、継続的な努力が出来ないために、成果を全くあげることができない。

 自分の力は標準に達していないのにかかわらず、他人を見下す傾向がある。また、こういう人は
ノマド(遊牧民)、シンギョラティ(特異点)などのカタカナ用語をあちこちに千ラバめるが、その意味を正確に理解しているとは思えない。

 こんな生き方をしても滑稽で、誰からもまともに相手にされなってしまうことくらいわかる筈なのに、立ち居振る舞いを矯正することができない。本書を読んで、こういう人たちは「意識髙い系」というカテゴリーに括られ、独自の内在的論理をもっていることがわかった。」(週刊現代2月10日号 P116)

 なるほど、そういわれてみると該当する様な人物が過去にも何人かいました。私自身も大学時代に「その種」の傾向があったと自省します。「高校時代は浅薄な革命思想に被れていたので、大学では経済学などを真面目に勉強しよう」と思ったものの、勉強は3か月も続きませんでしたから。

 佐藤優氏の指摘は鋭い。「意識髙い系」の人達の願望は持論が公共性を獲得し、社会から認められたいという欲望がことさら強い「厄介な」存在であると。
  また1昔前と異なり最近ではインターネットの発達で、手軽にSNS(フェイスブック、ツイッター、インスタグラム等)で、「意識髙い系」は、加速度的に「可視化」されるようになっているそうです。

「(うざい、痛々しい、不愉快、とだけ形容される「意識髙い系」は漠然とした忌避や嘲笑の対象としてネット空間のみならず、いまやドラマなどのテレビ番組の中でも使われるほど単語として市民権を得た)古谷氏は指摘する。」(P117)

 自己顕示欲のせいであるとは思えませんが、日本社会で「護憲運動」や「反原発運動」が市民各位に広がりがないのも、運動体に意識、無意識に「意識髙い系」と見える振る舞いや言動が感じられるからではないかと思います。

 「自分たちは正しい事をやっている。」「自分たちは間違っていない。間違っているのは安倍政権」「安倍政権を無批判に支持するB層の政治的無関心な市民が悪いのだ。」と言い続けている限りは、広がりはないと思いますね。

 最後に佐藤氏はこう言います。

「学生時代と社会に出た初期に、自分を評価してくれるまともな大人との出会いがないと「意識髙い系」になりやすいのだと思う。」(P117)

 わたしの場合は、社会人2年間に森雅弘さんと言う許容量の大きな上司に恵まれました。営業のスーパースターでありましたが、持論を押し付けることもなく、生意気な若造の主張を根気よく傾聴していただき、「そこまで言うならやってみろ」と背中を押していただました。今でも交流を続けている人生の師匠です。
 
 また担当していた得意先のオーナーの荻野正吾さん、正宏さん、賢二さんとの出会いがあり、ご指導いただいたことが、社会人のスタートとしてはとても幸運でした。仕事の意義。営業のやりかた、商売人の心得を叩きこまれました。

 せっかくのご指南をほぼ40年近く活用できませんでした。わたしは無能でした。昨年からそのことを思いだし、真摯に努力しますと少し結果が出ました。「遅れてきた青年」は初期高齢者となりましたが、「人生125年」の老師の教えに従い「人生まだまだこれからだ」と奮闘してみようと決意しているこの頃です。
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2018.01.18

アマゾン依存症問題と天皇と安倍政権


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 今週号の週刊現代1月27日号は、「アマゾン依存症の弊害・副作用」についてのレポートでした。考えさせられる記事です。「このままでは商店街もなくなりスーパーも淘汰される。」「アマゾンに個人情報も身ぐるみ剥がされ、管理社会になるのではないか」「アマゾンと取引しないと倒産してします。取引すれば苛酷な条件で疲弊してしまう現実」が克明にレポートされています。

 かつては「グーグル村八分」というのがありました。検索してもグーグルで表示されない仕打ちの事です。アマゾンの場合は物販が絡んでいるだけにより大きな影響力があります。ゆゆしき問題ですね。

もう1つ今週号の週刊現代で注目した記事は「安倍官邸は天皇陛下が大嫌い」(P52)でした。
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「速報を知った天皇は驚愕」

「官邸の宮内庁支配」

「見せしめの日程変更」

「5月1日退位を通告」など刺激的な見出しが躍っています。

 記事の結論は、「21年まで総理を続ける可能性がある安倍にとって。今上天皇は「目の上のタンコブ」であり続ける。(P55)

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2018.01.09

「世界史を創ったビジネスモデル」を読んで

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 「世界史を創ったビジネスモデル」(野口悠紀夫・著・新潮書店・2017年刊)の読書感想文をようやく書くことが出来ました。実は昨年10月7日に名古屋大学へ意見交換会に行った翌日に、名古屋市の丸善で購入し(空港で面談したかおちゃんにサインしてもらいました).父(98歳)の通院する植田医院での点滴治療の合間に読み終えていました。
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 しかし10月は仕事で滅茶苦茶せわしく、11月になり父が身体機能が低下し、足のむくみが酷くなり、12月になり母(92歳)が自宅で火傷し入院し、「ダブル介護」状態になりました。介護ケアは肉体的にきつくはありませんが、精神的になんか疲れます。最近ようやく慣れてきたこともあるし、1月7日の海の散帆で疲れも癒えました。感想文を書いてみます。

 まずタイトルに惹かれました。「世界史を創ったビジネスモデル」です。「ローマ帝国」「大航海時代の大英帝国」「マイクロソフトとアップル」「グーグルの成長」などが取り上げられています。「ITとビックデータはどんな世界を創るのか」と見出しにあり興味はつきません。

 著者の野口悠紀夫氏と言えば、経済学者であり、情報整理の「達人」であり「超整理法」とう著作を以前読んだことがありました。ハイテクやグローバル経済に長けた学者であり、ネット時代以前からその社会に対応する仕組みを20年前から考案されていました。
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 「歴史」といえば、「ローマ人の物語」(塩野七生)だとか、佐藤優氏や、内田樹氏や、古くは司馬遼太郎氏「この国のかたち」などを読んでいました。経済学者でハイテクやグローバル経済に長けた学者野口悠紀夫氏が「歴史について」記述すること事態が新鮮でした。
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 「歴史からビジネスモデルを学ぶ」としてこう記述しています。

「ビジネスモデルとは、普通は企業が事業を遂行するための具体的な手段や方法を指す。いかなる顧客を対象として、どのような商品やサービスを、どのように提供するかといったことだ。

 適切な微視ネスモデルの具体的な形は、環境条件が変れば変る。とりわけ、新しい技術が現れれば、大きく変わる。そうした場合にいかなるモデルを構築するべきかは、けっして簡単なことではない。」

  中略

「その際、過去のケースを調べて役立ちそうな事例を抽出するのは、有効な方法だ。ビジネスモデルの研究は。必然的にケースメソッドになる。」(P17)

→「ケースメソッド」は企業研修として注目されている学習手法の一つです。自己研究とディスカッションによって構成され能動的に学習に取り組むため、実践力とリーダーシップといった非認知能力が身につくとされています。(調べました)

 古代ローマ帝国は東西ローマ帝国に分裂するまで500年続き、東ローマ帝国は1500年も続きました。地中海全域を支配した大帝国が500年も続くことは、かつて人類の歴史上在りません。旧ソ連邦も広大な面積を支配しましたが、僅か74年しか続きませんでした。

 ビジネスモデルの2つの基本概念があると野口氏は言います。

「重要な概念は「多様性の確保」と「フロンティアの拡大」である。
 多様性を実現できた国や企業は、出来なかった国や企業に対して優位になることが多い。

 中略

 現代ではナチスドイツの異民族排斥政策がその典型だ。企業も多様性を失うと、80年代のIBMの例にみられるように衰退する。」
 
「多様性は、分権化と結びついている。これは特に現代国家における国の構造について、重要な意味を持つ。企業の場合でも、単に巨大化するのではなくて、意思決定を分権化することが必要だ。
 
 分権化を実現する手立ては、経済的な問題をについては市場メカニズムの活用であり、政治的には分権化である。」(P24)

 筆者が著作を起草した動機は、長らく続く日本経済の停滞であることでしょう。多様化を拒否し、分権を拒否し続ける日本の政治と経済。人口減で労働力人口が減少し、高齢化が世界に例を見ない速度で進行しているのに、移民の受け入れをしない日本社会の現実は、経済学の観点からは全く不意合理であると筆者は述べています。

 日本と対照的なやりかたで世界帝国を建設し、しかも500年間存続させた古代ローマ帝国を事例として野口悠紀夫氏独自の視点で分析しています。

「ローマ帝国は成功した。それは、分権化した国家機構、小さな官僚機構、自由な経済活動、平和、強力な軍などの条件による。」

「ナチスドイツが寛容政策を取っていれば、第2次大戦の結末は違うものになっただろう。ソ連が市場経済制度を導入していれば、集権下に伴う問題を回避できただろう。

 ナチスもソ連も、歴史の教訓に学ぶことができなかったのだ。」(P441)

「企業が失敗する条件もさまざまだ。新しい技術の価値を評価せず、古いビジネスモデルに固執し、異質性を排除し、同質の人々のグループになってしまうこと。短期的利益にとらわれて、長期的見通しを失うこと、などなど」(P442)

 まるで最近の日本の大企業の体たらくを指摘しているようですね。東芝やシャープのていたらく。品質管理の不祥事の酷さ。株高で空前の好景気と安倍政権は宣伝していますが、日銀の大幅な金融緩和政策でゆるゆるの利益向上であって、大半が内部留保と海外投資に廻り、新技術の開発投資や賃金への還元、人材投資は殆ど行われていません。

 野口悠紀夫氏は日本の現実をこう指摘しています。

「今の日本では、分権的な機能が機能しておらず、官僚機構が肥大化している。国全体も地域も企業も、異質のものを排除し同じ仲間だけで集まろうとする。

 古いビジネスモデルに固執して、新しい技術の導入を怠っている。異常な記入緩和政策で財政支出をまかない、企業は国の介入に依存するようになってきている。これらはきわめて深刻な兆候だ。しかも無視ないしは、軽視されている。

 日本は歴史に学ぶことができるのだろうか?」(P443)

 筆者は終章で本質を述べています。

「ナチスは人種的偏見のためにユダヤ人科学者を失った。これは、ローマ帝国がその末期に、ローマを守るゲルマン人を人種的偏見から排斥したのとそっくりだ。だから失敗すると予測できる。」

「ソ連の全体主義計画経済は、ディオクレティヌス帝以降のローマ帝国と殆ど同じ構造である。したがって、ローマ帝国のような崩壊の道を辿るだろうと予測できる。」

「中世のイタリアでは、都市国家が発展した。近代のヨーロッパも国家が分立していたからこそ進歩した。ところがEUはそうしたヨーロッパの歴史と異質のものである。

 EUはローマ帝国と同じだと思っている人が多いが全く異質だ。したがって、いずれ失敗すると予測できる。イギリスのEU離脱は、EUが終わりに向かう過程の始まりだろう。」

「ドナルド・トランプ米大統領は、自由な貿易を否定し、伝統的な製造業をアメリカに復活させることによって、失業した労働者に職を与えようとしている。そして移民や外国人労働者に対して非寛容な政策をとろうとしている。

 こうした政策が失敗するのは、火を見るより明らかだ。このような政策がアメリカを強くするなど、決してない。それは確実にアメリカの産業力を弱めるだろう。

 トランプ大統領の政策は、控えめにいっても時代錯誤の復古主義だが、国のビジネスモデルの基本から見ても明らかに誤りだ。

 建国以来のアメリカは、古代ローマの再建を目指し、そのビジネスモデルを意識的に模倣した。その理念は「異質性の尊重と寛容」だ。バラク・オバマ大統領が退任演説で強調したとうりである。」

「IBMがサービス事業に転換し、アップルが水平分業を実現し、グーグルがインターネット時代のビジネスモデルを構築した後の世界において、モノを作ることに固執するのは無意味である。

 シャープが失敗するだろうことは、かなりの確度をもって予測できた。これはビジネスモデル選択の問題であり、よく指摘されているような人事をめぐる内紛の問題ではなかったのだ。」(P447)

「予測の自己実現効果で社会が進歩する。」

 引用箇所が多いですが、この本の「エキス」であると思いますので、そのまま引用します。

「歴史の知識は、勝ち馬に乗ろうとする個人を助けるだけではないことだ。それは社会全体に利益を与える。何故なら多くの人々が歴史法則を知れば、成功すると予測されるビジネスモデルに対する支持が強まり、実際に成功するからである。」

「たとえば、ある会社が、歴史法則から見て成功するだろうと考えられるなら、優秀な人が集まる。そして、会社は実際に成功するだろう。予測は自己実現するのだ。これは「オイディプス効果」とか「マタイ効果」とよばれるものだ。歴史法則も自己実現するのである。」

「成功するだろうと歴史法則によって評価されるビジネスモデルは「正しい」モデルだ。
それが、偶然の些細な条件によって挫折してしまうという事態を避けることができ、本来成功すべきビジネスモデルが実際に成功できれば、社会は進歩する。」

「ナチスのドイツから逃げたユダヤ人の科学者たちは、アメリカが成功すると考えてアメリカに来た。そして、彼らの寄与により、アメリカの科学技術が実際に発展した。

 IT革命も同じだ。これはアメリカ人が実現したと言うよりは、シリコンバレーに来た外国人、とくにインド人や中国人が実現したのである。これらはアメリカのビジネスモデルが成功するだろうと言う予測が自己実現した例だ。」

「インターネット時代になって歴史のデータを引き出すのが容易になったので、歴史法則の自己実現効果は強まった。それを巧みに利用できる企業や国家の成長が加速化することになる。」

「ところで、歴史と言う集団記憶を維持できるのは、人類だけである。恐竜は遺伝子を通じて身体の機能や形態を進化させた。そして環境に適応して繁栄し続けた。しかし、集団的な記憶を持っていたのは遺伝子であり、歴史ではなかった。人類だけが歴史を用いて進化することができるのだ。

 ナチスドイツやソ連のような国家は、これからは現れないと思う。ただし、それは人々が歴史を知っている場合の事だ。北朝鮮のように歪められた歴史が教えられている国では、抑止効果は働かない。

 歴史に対する誠実さを欠く社会は、進歩から見放された社会だ。」(P446)

 昔の人は「故きを温ねて新しきを知る」とか温故知新ということを言いました。まさに野口悠紀夫氏の著作は「過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくこと」そのものでした。」一読されることをお薦めしたい。税別で1700円しますが、それだけの価値はありました。

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2017.10.07

憲法改正より原発の廃炉が先だろう!!


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 10月22日に投開票の衆議院選挙。「体制選択選挙」であると言われてます。「憲法改正をして北朝鮮といつでも戦争が出来る国にしなければならない」と安倍首相は声高に叫んでいる。野党の希望の党も維新も安保法制(戦争法案)と憲法改正に賛成だ。

 この状態ではいわゆる「改憲勢力」が憲法改正の発議に必要な国会議員の議席の3分の2以上どころではなく5分の4を占める勢いだ。声高に「戦争だ」「北朝鮮をやっつけろ!」を言うのは自由であるが、憲法改正よりも最優先課題がある。それは「原発の廃炉」である。
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 週刊現代、10月14日・21日の合併号にとても気になる特集記事があります。

「緊急シュミレーション 北朝鮮のミサイルが日本の日本の原発に落ちたら」「朝鮮労働党幹部が標的の1つと明言」「いつミサイルが飛んできてもおかしくない。北朝鮮をめぐる情勢。もし日本の原発に着弾すればその被害は想像を絶するものになる」

 トランプ大統領に追随し、安倍首相は「北朝鮮には対話でなく圧力だ、」と強硬姿勢で戦争も辞さない。そのためにはついに憲法改正まで言いだし、自民党の選挙公約にまでしています。

 それは勇ましいことですが、日本には弱点、しかも致命的な弱点があります。それは国内に54カ所にある原子力発電所と核燃料保管施設の存在です。多くは北朝鮮近くの日本海沿いにあります。もし原発が攻撃され爆破されたら、日本国民は生存することが出来ません。
 
 世界1の軍事大国イスラエルが何故自国に原発の建設を諦めたのか?それは世界1の軍事力とスパイ組織をもってしても僅か1基の原発を守りきれないと判断したからです。日本は原子力発電所だけで54基もあります。自国の防衛をどうするのか?安倍首相は原発の防衛しきれるのか?ちゃんと国民に回答していただきたい。

 記事の中に「最近北朝鮮では日本にいる米軍はもちろん、日本と言う国自体が強大な敵と言う認識が強まっている。

 敵国の1番の弱点を狙うのは戦術的には当然。狙われるのは日本にある50基以上ある下の原発です。」(軍事アナリストに西村金一氏)

 直接原発が攻撃されなくても災害大国日本です。大地震や大津波や大噴火で原発がッメルトダウンすれば、頼りにしている在日米軍は1番先に日本から逃げ出しますから。自衛隊は原発災害対策と被災者支援に廻ります。とても国防どころの話ではありません。少し冷静に考えたらわかることです。政治的主張が右とか左とかではありません。
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 今回の選挙は「戦争準備をしながら」「原発を推進する」という安倍自民党に投票しては亡国になります。「原発を廃炉にする」と明言する政党と候補者に入れます。国防のために私はそうします。

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2017.09.25

北朝鮮はロシアの傀儡国家でしょうね

 もともと金日成は旧ソ連領に匿われていました。抗日ゲリラをしていた人物になりかわりスターリンが押し立てた国が北朝鮮です。南朝鮮の体制が弱いと見抜いたスターリンは金日成を支持し朝鮮戦争を始めました。

 戦争準備が出来ていなかった韓国軍も米軍も押しまくられ釜山付近まで後退しました。日本にいたマッカーサー将軍の作戦で仁川に上陸。北朝鮮軍を撃破し、鴨緑江まで押し戻しました。建国直後の中国は介入を渋っていましたが、国の危機を感じ100万人の義勇兵を派兵し、38度線まで米軍を押し戻しました。

 1953年にスターリンが死去。朝鮮戦争は休戦になりました。しかし実際には朝鮮戦争は今でも続いていると見るべきですね。
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 週刊現代の今週号に面白い記事が掲載されていました。「金正恩極秘ルートで最後はロシアに亡命」「北朝鮮はプーチンランド」「北極海に浮かぶ島に亡命」とあります。記事を読みますとさもありなんと思いますね。

 北朝鮮軍の行軍の風景はロシア軍に似ています。帽子もです。弾道ミサイルも核爆弾もすべてロシアの技術でしょう。ロシアは中東におけるアサド政権の役割を北朝鮮に求めているのです。だから金正恩は超大国アメリカ相手に強気でおれます。

 ロシアが後ろについているようなので、いくら中国への制裁協力を要請しても北朝鮮はつぶれません。
 
 安倍首相もプーチンさんと親しいと言うのなら、拉致問題を始め、外交交渉で北朝鮮を黙らし、拉致問題を解決するように動くべきではないかと思いますね。なかなか興味ある記事でした。
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2017.09.22

浮浪雲の連載が終了しました


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 9月20日発売の「ビックコミック・オリジナル」の2017年10月5日号。1973年より44年間連載されていた「浮浪雲」ジョージ秋山・作)が最終回でした。幕末の時代を飄々と生き抜いた駕籠かき屋に主人はぐれ雲。最終回もそれなりに終わりました。
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 さして入れ込んで読んでいるわけではありませんでしたが、自分のモータークルーザー艇に「浮浪雲」と名前を付けた人もいました。

 連載が始まった1973年と言えば、高校を留年し、やっと卒業し、なんとか東京の私大へ進学し、田舎者が上京した年でした。19歳から20歳頃なので大昔です。

 時代はめまぐるしく変化しましたが、浮浪雲は相変わらずで、江戸時代のリズムで登場人物は皆「まったり」していました。
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 ビックコミック・オリジナルといえば「あぶさん」(水島新司・作)も長期連載されていました。1973年から2014年まで。41年の連載でしたね。

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2017.08.08

「日本の参謀本部」を読んで

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 「日本の参謀本部」(大江志乃夫・著・中公新著・1985年刊)を読みました。一読して旧日本帝国陸海軍の参謀本部のいい加減さ、出鱈目ぶり、無責任ぶりに驚きました。」正直これほど酷いものであるとは一読するまで思っていませんでした。

 明治以降日本の参謀本部のモデルはプロイセン=ドイツ陸軍でした。
「日本の陸軍はドイツ参謀本部、直接にはモルトケ時代の参謀本部を手本にしてつくられた。陸軍の機構・編制はもとより、軍事理論、参謀将校の養成に至るまで、ドイツを師とした。
 実際に指導にあたったのは、モルトケが人選してドイツ陸軍の参謀将校K・メッケル参謀少佐であった。メッケルの軍事理論と参謀養成教育がその後の日本陸軍のありかたに大きな影響をおよぼした。」(P9「メッケルの遺産」)

 ただ「生徒」である日本陸軍は伝統的に「戦略軽視・戦術重視」であったようです。それ故、ドイツ参謀本部の全貌を理解したと言い難いところがあったようです。

 以下の記述には注目して精読しました。

「ドイツ参謀本部の前身は戦時に編成される兵站部であった。ドイツの理想とされたフリードリッヒ大王に典型的な例を見ることが出来るように、最高将師である国王自身が全軍を率いて戦場にでて指揮をとったのであるから、そのスタッフに要求されたのは、最高将師が後願の憂いなく戦場で活動できるように準備体制をつくることであった。

 その最大の任務は兵站であり、陣営、行軍路の管理、要塞建設などの任務もふくんでいた。

 騎士軍団の崩壊以後、フランス革命まえのヨーロッパの陸軍の大部分が傭兵軍隊であり、使用兵力に限界があって1人の将師による全軍の運用が可能であった。傭兵軍隊の忠誠をとりつけるに必要なことは給与の支払いについで行軍と戦闘のさいに飢えさせないことであった。

 使用することが出来る兵力、軍隊の行動範囲と速度、戦場における士気、これらはいずれもパンの補給能力、つまり倉庫給養の展開能力にかかっていた。」

「フランス革命による国民軍隊の成立とその徴兵軍隊への移行、すなわち近代大衆軍隊の成立が事態を一変させた。傭兵軍隊時代に想像もできなかった大兵力を組織することができるようになり、兵力の分割使用が必要かつ可能になりー師団=ディバィジョーンの語源は”分割”であるー。

 さらに人口密度がたかいヨーロッパの農村を戦場とする限り「糧を敵に得る」つまり食料の現地調達が可能かつ不可欠となり、傭兵軍隊とちがってそれで我慢するようになった。スタッフの主要な機能は、兵站から分割された大兵力の合理的な管理運用に変化した。」

「日本には封建武士軍隊と近代大衆軍隊のあいだに傭兵軍隊時代の歴史がない。軍隊の忠誠をつなぎとめるものが兵站であるという歴史の経験がなかった。

 この伝統がなかったところに大衆軍隊時代の産物である参謀本部の制度が持ち込まれ、」しかも参謀本部の設置の中心人物が情報政治家の山県であったことは、日本の参謀本部に悪い伝統を持ち込む結果となった。」

「参謀本部が一方で兵站を軽視し、他方では軍事情報の実ならず、本来は政略に属する分野の謀略や情報政治にまで手を出すことになった。戦略の欠如を政略でカバーする傾向が生じた。

 軍人政治家は多いが、戦略家が出なかった日本陸軍の体質を、日本の参謀本部の期限が決定したものといえよう。」(P57「外征軍の頭脳」)

 戦略を軽視(戦争目的の欠如)と兵站(物資補給ルートの確立)がなしに戦争を外地で仕掛けても勝てる筈はないと思いました。現在一部のファシスト達が理想とする旧帝国陸海軍が実にお粗末な頭脳の参謀本部によって暴走していた惨状を想像しただけで戦慄します。

 その悲惨な状況が日中戦争の長期化であり、2次大戦での無残で悲惨な敗北でした。なぜ旧帝国陸海軍の参謀本部は無能で体たらくであったのか、兵站軽視と戦略軽視にあったことは理解できました。

 もう1つの大事な要素は「情報をきちんと収集し、時代の変化に軍を変化させることを怠ったこと」ではないかと思いました。

「日本の陸軍は第1次世界大戦の主要な参戦国陸軍の中で主戦場に姿を見せなかったただ一つの陸軍であった。第1次世界大戦は、日露戦争が端緒的に示した戦争の様相をより明確な形で表面化した。」

 中略

「日露戦争以後の野戦の様相を一変させたのは掩蔽(えんぺい)陣地に潜む機関銃であり、そのような火力を擁する縦深陣地であった。

 歩兵の大量集中による決戦的会戦で敵野戦軍を撃滅するという短期決戦思想は破たんし、陣地戦による長期戦、消耗戦、持久戦の時代となった。

 戦争の長期化、消耗戦化にともない兵力だけでは勝敗を決することができなくなり、国力をあげての総力戦体制が必要となった。新しい戦争の様相に対応するための軍の編成、装備、戦法のすべての分野に渡って根本的な再検討が要求された。」

「しかるにこの重要な時期に、日本の陸軍はシベリア出兵に兵力とエネルイギーを費用を浪費し、大戦の研究から教訓を学ぶことを怠った。さらにシベリア出兵から、侵攻軍がおアルチザン=ゲリラ戦に巻き込まれた場合戦争は泥沼化し、勝利の展望がほとんどなくなるという教訓さえもひきだせなかった。」

「日露戦争を世界でも最新の編制、装備、戦法でたたかった日本の陸軍は、第1次世界大戦後に世界で2流の陸軍に転落した。

 日露戦争で少数兵力の日本軍が多数兵力のロシア軍に対して包囲戦術にでて成功したのは、編制、装備、戦法がロシア軍にまさっていたからであって、日本軍が精神的にすぐれていたからではない。

 むしろロシア軍のほうが戦場では勇敢であった。分析してみると、日露戦争の日本軍より第1次世界大戦の各国軍のほうが遥かに強靭な精神力を発揮している。」

「ところが日本陸軍は、維新と同時期の内戦である南北戦争以後はじめて本格的な陸戦を経験したにわか編成のアメリカ陸軍に対して、参戦当初の混乱だけからアメリカ陸軍を問題にするにたりないという結論を出してしまった。

 おくれて参戦したアメリカ陸軍が経験を積むことによって、ヨーロッパのどの国の陸軍にも劣らぬ精鋭に成長し、さらに大戦から多くの教訓をまなびとったことを見落としたのである。」(P137「幕僚機構の官僚機構化」)

 日本の参謀本部や政府首脳が、日清・日露の戦勝に酔いしれている間に、世界の戦争事情は劇的に変化していました。日本は第1次世界大戦の教訓を戦場で学ぶことなく、余計なシベリア出兵で資源を浪費し。遅れをとり二流陸軍国へ転落しました。

 一方もたついたアメリカ陸軍は第1次世界大戦で鍛えられ、精鋭に成長したのです。後々日本の陸海軍が米軍を馬鹿にして無残な敗戦を付き重ねて行く要員の1つが良く理解することが出来ました。

 最終章の「参謀本部の崩壊」のなかの見出しだけを取り出しても気が重い。「展望のない戦争」「無理な作戦計画」「無謀な第2段作戦」「原則無視の選択」「決断力をなくした大本営」「スタッフ人事の頽廃」「責任能力の喪失」「見えなくなった情勢」。ならべただけでも第2次世界大戦時の日本の参謀本部の無能ぶり¥、頽廃ぶり、無責任ぶりがわかりますね。

 現在自民党の安倍政権は、戦前の日本国の全体主義体制を理想化し、日本国憲法を改憲して復古主義で国づくりをしようともくろんでいます。

 日本の参謀本部のレベルの低さ、無責任、無能な体制を反省し、総活なしに、戦前の日本の国家体制が今より良いなんてことはありません。ありえません。一体何を勘違いしてこのような無能な参謀本部が指導し、惨めな敗戦を招いた社会体制にしたいのでしょうか?理解に苦しみますね。

 無能な軍部が国家中枢にのさばりつづけたのは、大日本帝国憲法の中に「統帥権」という国民が選んだ国会で統治・コントロールできない仕組みがあったからです。欽定憲法という形をとった故の制度的な欠陥でした。

 明治維新(1868年)以来、戦争に明け暮れ、大日本帝国憲法の制度的な欠陥と戦争指導部の無能さ(参謀本部の無能)ゆえに1945年の無残で惨めな敗戦よりも、日本国憲法の公布’1947年)以来、70年間平和を維持し、1人の外国人兵士も殺害しなかった時代のほうが、日本国民は幸せでした。

 書籍を一読してつくづくそう思います。

 

 

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