人新世の「黙示禄」を読みました。

著者の斎藤幸平氏は、1987年生まれの「子供世代」の経済社会思想家。以前読んだ「テクノ封建制」(ヤニス・バルキャス著・斎藤幸平・解説)をされていました。。
http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2026/04/post-24b16a.html
(テクノ封建制を読んで」(その1)
http://dokodemo.cocolog-nifty.com/blog/2026/04/post-312d88.html
(テクノ封建制を読んで」(その2)
その読書感想文を書いてみました。
国家を凌駕する私企業の膨張は、必ずしも国民を幸福にしないようですね。
高知市のような地方都市のローカル環境でも路面電車の中でも、スマホの画面を見る人が多い。その人たちは無意識に自分の情報が際限なくGAFAMに無料で吸い取られ、「テクノ封建制」強化に貢献しています。
著者のヤニス・バルキャスはこの厄介な「テクノ封建制」に個人としてどう立ち向かえばいいのか。

「テクノ封建制は、それを倒すために力を合わせようとする人々の前に、新たな壁を築き上げた。しかし、打倒のための共闘を夢見る人達には、新たな大きな力を与えることになった。
新たな障害とは、クラウド農奴とクラウド・プロレタリアートが物理的に孤立していることだ。私たちはここのスクリーン、個々のスマートフォン、アマゾンの倉庫作業員を監視するデジタルデバイスなどを通じて、クラウド資本とつながり、クラウド資本のいいなりになっている。人々が集まる機会が少ないほど、みんなで力を合わせて行動するのが難しくなる。
しかしここにこそ、クラウド資本が潜在的な反乱者に与える大きな力がある。クラウドを通じて連合を築き、組織化し行動する能力だ。」
①「クラウド領主と政府機関と悪徳企業の間に隠されたデジタル上のつながりを追跡し、明るみに出そうということだ。」そんなことが可能かどうか。どうしたら可能かどうかわからないが、もし数10億の目がこうした機関の行動を逐一監視することがわかxgつていたら、」彼らは手足を縛られる。秘密が暴かれるにつれ、市民の監視の連携はさらに味方と支持をあつめるはずだ。」
②「よく知られているように、マルクスは資本主義下の状況を「疎外」の人つだと表現した。自己の労働による成果の所有権を持たず、物事を成す方法について口を挟む権利を持たない状況を、そう言い表したのだ。
テクノ封建制のもとでは、人間はもはや自己の心身させ所有していない。資本を持たない労働者は就業時間中はクラウド・プロレタリアートになり、それ以外の時間にはクラウド農奴になっている。
③成功した自営業者はクラウド封臣に姿を変え、困窮した自営業者はクラウド農奴になる。民営化とプライベート・エクスティは僕たちからすべての物理的な資産を剥奪し、クラウド資本は僕たちの脳内資産を奪い取る。人間が自己の頭と心を所有するためには、私たちはクラウド資本を集合的に所有しなければならない。
実際にはGAFAMの力は想像以上に巨大であり、人智を超え、国家を凌駕する存在。おぞましい。斎藤幸平氏はどう戦うというのか。彼の著書「人新世の「黙示禄」(集英社・2026年4月刊)を読んでみました。
「GAFAMは独占的なプラットフォームを構築し、コンテンツや知財へのアクセス料を徴収する。あるいは効率化のためのデータを収集分析して、販売する。
こうした行為が、プラットフォーム企業にレントという形の超過利潤をもいたらすのだ。」
「オンライン販売市場において、アマゾンは圧倒的な地位を築いており、米国のEコマースの半分以上を占めている。またGoogleの検索事情でのシェアは9割。独占をこうちくしてGAFAMは自社のプラットフォームにユーザーをロックオンしてきたのだ。
(中略)技術革新によって私たちは貧しくなり、階級社会が固形化する。」(P64テクノ資本主義で進むファシズム)
「長期計画「中国製造2025年」がスタートしたのは2015年のことだった。その後、中国は再生可能エネルギーや電気自動車(EV)に莫大な投資を行い、わずか10年で世界をリードするまでになった。」(P176「中国の経済計画の成功」)

また日本経済社会はバブル経済が破綻後「停滞の30年」で惰眠をむさぼりました。その典型で間違った経済政策が「アベノミクス」です。
日本の新自由主義の市場原理主義が、力を失い、経済力、国力が日本は著しく低下したのに対して、中国は2010年以降、公共投資への財政出動と、産業政策を駆使して、投資と生産を重点産業へ巧みに誘導し、急速な近代化を成し遂げました。
「アベノミクスは、低金利と株高誘導によって、企業の設備投資や研究開発を活性化しようとしながらも、具体的な投資の内容は市場任せにした。そのせいで企業の内部留保ばかりが増え、だぶついたマネーは金融市場にながれるだけになり、実体経済は活性化しなかった。脱酸素やデジタル化の社会目標に合わせた産業構造の転換や供給力の増大など、まったく生じなかったのである。」(P177)
中国は、AI,先端医療、スマートフォン、半導体、航空宇宙工学でも間覚ましい発展をとげ、今やアメリカを中心とした世界秩序を脅かすようになっている。
GAFAMに対抗できるのは、欧州でも日本でもなく、中国です。アリババやバーズ―のような巨大Eコマースと独自の巨大な検索エンジンを所有しているので、対応したプラットフォームを構築できるからです。
読み込みは「次回に」しますが、50年前の「活動家」からすれば、子供世代の斎藤幸平氏が、懐かしく、心を躍らせた言葉を復元し、「テクノ封建制」打倒のためのキーワードとして使用していることが嬉しい。
「マルクスの「プロ独」論-労働者階級の自己解放」
「パリコミューンの民主的大改革-国家軽力を社会に再吸収する」
「パリコミューンからのヒント
①労働の民主化②市民権の解放③徴発.徴募④配給制と接収⑤禁止措置」
「コモンを作り出すための経済計画「赤いニューヨークの」集団主義
「反選民ファシズム戦線/諦めない先にある「ラディカルな希望」
高校生時代のスローガンは「1人の自由な発展が万人の発展となりうる新しい共同体」でした。この言葉はマルクスが「共産党宣言」か「経済学・哲学草稿」がどちらかに書いてあった記憶があります。まさにその0社会です。
おぞましい「テクノ封建制」を解体し、再編する社会理念は「個人が尊重された、新しい共同体社会」であると思うからです。
具体的に何をどうするするのかは、わかりませんが、高校生時代の「熱き心」が蘇りました。なんか自分の中をかき混ぜたら、新しい理念が出てくるような気がします。




























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