3月24日は家内と2人で香南市野市ふれあいセンターでの映画「鎌仲ひとみ監督作品 内部被ばくを生き抜く」(香南市教育委員会主催)を鑑賞に行きました。会場は100人ほど来場者がいました。何人かの知り合いに会いました。
福島の普通の人たちが映画には登場します。300年の歴史があるお寺の住職。その奥様と4人の子供たち。福島原発事故から2年が経過していますが、いまだに福島原発に「ふた」がされているわけではないので、毎日日にち大量の放射性物質が大気中や水中、海中に放出されています。
映画では外部被ばくより、内部被ばくの怖さ、脅威を描いています。国が定めた福島第1原発避難想定区域外の福島市では、放射線量が異常に高い「ホットスポット」と言われる箇所がたくさんあります。
放射性物質が大気中を漂い落下したもの。土壌に落ちた場合植物に吸収され、食物として食べて内部被ばくする。空気を吸い込んで内部被ばくする。飲料水として飲んだ水から内部被ばくすることもありました。
画面へ登場したある家族では、「子供にクラブ活動はやってもらいたい。でも内部被ばくしたようで、検尿からセシウムが検出され悔やんでいます。辞めろとは言えない。でも汚染は心配です。」
「わたしは実家が福岡だから退避は可能です。でも福島の人間関係や地域のつながりも全部捨てないといけません。仕事もです。残って放射能の脅威にさらされて生きるのか。多くのものを捨て去って地域を去るのか。そういう2者択一ではない生き方ができないのか。」との言葉に胸が詰まりました。
映画では4人の医師が登場します。広島で被爆した肥田舜太郎医師(94歳)。「放射能被害のデータも何もない状態で治療にあたって来ました。GHQは情報を公開しない。被ばく者と67年間寄り沿いながら被爆者援護法を勝ちとりました。内部ひばくの研究には終わりがありません。
鎌田寛諏訪中央病院院長は、「イラクへの戦争中に米軍が使用した劣化ウラン弾による被ばく治療のために医薬品の支援や、医療チームの派遣をしてきました。3・11以降は福島の支援もしています。」と述べられました。
児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長は、ボランティアで福島へ入り現地調査を克明に行われています。「政府は1戸当たり70万円しか除染費用を出そうとしません。到底その費用では除染はできません。1戸当たり500万円から1000万円はかかります。」と言われていました。
チェルノブイリで臨床医をされているスモル・バレンチア氏は「子供たちにおは長期の経過観察が必要です。そして適切な医療と社会のサポートが必要です。」と言われていました。
映画上映画後の休憩タイムに、「内部被爆の脅威ー原爆から劣化ウラン弾まで」(肥田舜太郎・鎌仲ひとみ・共著・2005年・筑摩書房)を購入しました。
鎌仲ひとみ監督のトークが始まりました。スクリーンを使用して福島第1原子力発電所の被害がいかに甚大なのか。しかもいまだに大量の放射性物質を放出し続けている。日本人すべてが「内部被ばくする恐れがあります。
「わずかな量の放射性物質を体内に取り込むと、長時間にわたって体の内部から放射線を浴びることになります。恒常的に被ばくすることで遺伝子が傷つけられ、ガン等を誘発します。今まで内部被ばくの研究は少なく、最近その実態が明らかになりつつあります。」
「チェルノブイリでは、年間被ばく量は1ミリシーベルト以下にされています。1ミリシーベルトを超える地域の住む住民には除染費用は国が負担します。移転する場合も費用は国が持ちます。」
「日本の場合は20ミリシーベルトまで大丈夫と言われています。多数の国民が毎日被ばくしています。こんな国はありません。避難退避地区外にも放射性量が異常に高い地域がたくさんあるにも代わらず除染もされず放置されています。」
「福島原発からは1000万ベクレルの放射性物質が放出されています。また土壌汚染の地域は広範囲に広がり、海洋にも大量の放射性物質が放出され続けています。」
「日本では被爆を理解する壁がありました。それは日本は広島・長崎で唯一の被爆国と言われてきましたが、一切被ばくのことを教育現場で教えて来ませんでした。医大の学生も習わないと聞きました。
また占領軍の言論統制があり、原爆被害の隠匿が5年間行われてきました。原爆投下後何の治療もせず被爆者の口封じをしたがために、5年の間に多数の被爆者が治療を受けずに亡くなりました。亡くなった被爆者は米軍により研究材料に使われました。5年後に生き残った被爆者を研究してデータはつくられました。
また一貫して被ばくの過小評価が行われ、同時に原子力発電所の推進も行われたのです。」
「福島でも被ばくの過小評価とミスリードが行われました。ある御用学者が100ミリシーベルトまで大丈夫だと発言し多くの子供たちが被ばくしました。子供や胎児は大人の何倍も被ばくの影響が出てきます。
福島の子供たち8万9千人を調査¥したとこと10人の甲状腺がんが見つかりました。この比率は国際基準値の100倍です。」
「国の方針はこうした事実があるにもかかわらず昨年の総選挙で登場した安倍政権は原発推進になりました。日本人全員が内部被ばくすル可能性があるのにです。
でも映画にある出てきた福島の民間病院は、行政から何の支援も受けずに5000万円かけて微量の放射性物質を測定する装置を購入し。福島の子供たちを無料で測定しています。また母親たちのネットワークで、放射能汚染されていない安全な野菜や食品が全国各地から送られ、映画で出てきたお寺の幼稚園で無償で配られています。
内部被ばくは年間2回の2週間の静養生活と、放射能のない食物を食べ続けると体外へ取り込んだ放射性物質は排出されます。どうかみなさん福島の子供たちを受け入れ,静養させていただけませんか。」と訴えられました。
鎌仲監督ともじっくりとお話したかったんですが、うちには超高齢の両親がいますので、早めに戻らないといけないので、サイン会を横目に見ながら退出しました。考えさせられました。「映画「六ヶ所村ラブソディ」の映画会の案内もありました。
香南市の教育委員会の皆様ありがとうございました。良い企画でした。
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